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労災・雇用関連

育児休業給付金と出生時育児休業給付金の違い

雇用保険の育児関連給付には「育児休業給付金」と2022年10月に新設された「出生時育児休業給付金(産後パパ育休に対応)」があります。さらに2025年4月からは父母とも14日以上の育休取得時に給付率を80%に引き上げる「出生後休業支援給付金」、2歳未満子の時短勤務時に賃金の10%を支給する「育児時短就業給付金」も新設されました。社労士試験では各給付の対象期間・給付率・分割取得回数・就業可能日数の違いが頻繁に問われます。本記事では雇保法61条の7・61条の8を中心に整理します。

比較表で見る違い

観点育児休業給付金出生時育児休業給付金
根拠条文雇保法61条の7雇保法61条の8
対象期間原則:産後休業終了翌日〜子1歳(最長2歳)子の出生日〜出生後8週間以内に通算4週間(28日)以内
対象者原則父母とも主に父親(産後の母親も対象可)
給付率休業開始180日まで67%、以降50%一律67%
分割取得原則2回まで2回まで
休業中の就業原則就業不可(一時的・臨時的のみ可)労使協定締結で休業中の就業可(最大10日または80時間)
出生後休業支援給付金(2025.4〜)父母とも14日以上取得で28日間80%上乗せ同左(28日間80%)
申請単位原則2か月単位休業終了後にまとめて申請

それぞれの詳しい解説

A育児休業給付金

雇用保険法61条の7に基づき、1歳(一定の場合は1歳2か月、1歳6か月、2歳)未満の子を養育するための育児休業を取得した被保険者に支給されます。要件は休業開始日前2年間に被保険者期間が通算12か月以上(賃金支払基礎日数11日または賃金支払時間80時間以上の月)あることです。給付額は休業開始日から180日目までは休業開始時賃金日額×支給日数×67%、181日目以降は50%です。原則として子1人につき2回まで分割取得が可能(2022年10月改正)で、休業中に就業した日数が10日(10日超は80時間)を超える月は対象外となります。2025年4月施行の改正で、父母ともに14日以上の育児休業を取得した場合、最大28日間について給付率を80%(手取り換算で実質10割相当)に引き上げる「出生後休業支援給付金」が併給されます。さらに2歳未満子養育者の時短勤務時には賃金の10%を支給する「育児時短就業給付金」も新設されました。

  • 1歳(最長2歳)まで

  • 180日まで67%、以降50%

  • 分割2回まで+出生後休業支援給付金80%上乗せ

B出生時育児休業給付金

雇用保険法61条の8に基づき、子の出生後8週間以内に通算4週間(28日)以内の出生時育児休業(いわゆる「産後パパ育休」)を取得した被保険者に支給される給付です。2022年10月新設で、主に父親が対象ですが、産後休業を取得していない母親も理論上対象となり得ます。給付額は休業開始時賃金日額×支給日数×67%(一律)です。被保険者期間要件は育児休業給付金と同じ(2年に12か月)。最大の特徴は労使協定締結により休業中の就業が可能なことで、就業日数は休業期間中の所定労働日数の半分以下かつ10日(10日超は80時間)以下に制限されます。分割取得は2回まで可能で、まとめて申請する必要があります。2025年4月施行改正により、父母ともに14日以上の育休を取得した場合は出生後休業支援給付金(28日間80%上乗せ)が本給付にも適用されます。育児休業給付金とは併給可能で、出生時育児休業終了後に通常の育児休業を取得することもできます。

  • 出生後8週間以内・通算28日以内

  • 一律67%

  • 労使協定で休業中就業可(10日/80時間以内)

試験対策のポイント

「育児休業=1歳まで(67%→50%)、出生時=出生後8週間28日(一律67%)」。2025年4月から父母14日以上で28日80%上乗せ(出生後休業支援給付金)。

理解度チェック(3問)

Q1. 育児休業給付金と出生時育児休業給付金に関する記述として正しいものはどれか。

  1. 1育児休業給付金は休業開始から終了まで一律67%である。
  2. 2出生時育児休業給付金は休業中の就業が一切認められない。
  3. 3出生時育児休業給付金は子の出生後8週間以内に通算4週間(28日)以内の休業が対象である。
  4. 4育児休業給付金は分割取得できない。
解答・解説を見る

正解:3. 出生時育児休業給付金は子の出生後8週間以内に通算4週間(28日)以内の休業が対象である。

出生時育児休業給付金は子の出生後8週間以内・通算28日以内の休業が対象で給付率は一律67%。労使協定で休業中の就業可(10日/80時間以内)。育児休業給付金は180日まで67%・以降50%、2回まで分割取得可。

Q2. 2025年4月に新設された出生後休業支援給付金の給付率として正しいものはどれか。

  1. 150%
  2. 267%
  3. 380%
  4. 4100%
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正解:3. 80%

2025年4月施行改正で、父母ともに14日以上の育児休業(または出生時育児休業)を取得した場合、最大28日間について給付率80%の出生後休業支援給付金が上乗せ支給される(既存給付67%+上乗せ13%=合計80%)。

Q3. 2025年4月に新設された育児時短就業給付金に関する記述として正しいものはどれか。

  1. 10歳未満の子を養育する者が対象である。
  2. 22歳未満の子を養育するため時短勤務する被保険者に賃金の10%を支給する。
  3. 3時短勤務中の賃金が低下しなくても支給される。
  4. 4休業を伴う場合のみ支給される。
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正解:2. 2歳未満の子を養育するため時短勤務する被保険者に賃金の10%を支給する。

育児時短就業給付金は、2歳未満の子を養育するため所定労働時間を短縮して就業する被保険者に対し、時短勤務中の賃金の10%を支給する給付(2025年4月施行)。時短勤務開始前より賃金が低下している場合に支給。

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