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労災・雇用関連

障害補償給付(年金)と障害補償給付(一時金)の違い

労災保険の障害補償給付は、業務上の傷病が治癒(症状固定)した後に障害等級1〜14級に該当する障害が残った場合に支給される給付です。障害等級1〜7級は障害補償年金として継続的に、8〜14級は障害補償一時金として一回限り支給されます。社労士試験ではこの区分・給付日数・特別支給金・前払一時金制度などが頻繁に問われます。本記事では労災法15条・別表第1を中心に、年金・一時金の差異と関連する特別支給金・前払一時金・差額一時金の制度を整理します。

比較表で見る違い

観点障害補償年金(1〜7級)障害補償一時金(8〜14級)
対象等級1級〜7級8級〜14級
根拠条文労災法15条1項・別表第1労災法15条1項・別表第1
給付日数給付基礎日額の313日分(1級)〜131日分(7級)給付基礎日額の503日分(8級)〜56日分(14級)
支給形態年金(毎年偶数月に2か月分支給)一時金(一回支給)
特別支給金(一時金)障害特別支給金342万円〜159万円障害特別支給金65万円〜8万円
特別年金/特別一時金障害特別年金(算定基礎日額×日数)障害特別一時金(算定基礎日額×日数)
前払一時金あり(最大1340日分)なし
差額一時金受給者死亡時に遺族へ支給なし

それぞれの詳しい解説

A障害補償年金(1〜7級)

労災保険法15条1項・別表第1に基づき、業務上の傷病が治癒した後に障害等級1〜7級に該当する障害が残った場合に支給される年金です。給付日数は給付基礎日額の313日分(1級)、277日分(2級)、245日分(3級)、213日分(4級)、184日分(5級)、156日分(6級)、131日分(7級)で、毎年2月・4月・6月・8月・10月・12月の年6回、各2か月分が支給されます。あわせて社会復帰促進等事業から障害特別支給金(一時金)342万円(1級)〜159万円(7級)と、ボーナス分を反映した障害特別年金(算定基礎日額×給付日数)が支給されます。受給者は前払一時金(労災法附則59条)として、給付基礎日額の最大1340日分(1級)〜560日分(7級)の前払を受給可能です。さらに受給者が死亡し既支給額が一定額に満たない場合は遺族に差額一時金が支給されます。

  • 1〜7級が対象

  • 給付日数131日分〜313日分

  • 前払一時金・差額一時金あり

B障害補償一時金(8〜14級)

労災保険法15条1項・別表第1に基づき、障害等級8〜14級に該当する障害が残った場合に支給される一時金です。給付日数は給付基礎日額の503日分(8級)、391日分(9級)、302日分(10級)、223日分(11級)、156日分(12級)、101日分(13級)、56日分(14級)で、一回限りの支給となります。あわせて社会復帰促進等事業から障害特別支給金(一時金)65万円(8級)〜8万円(14級)と、ボーナス分を反映した障害特別一時金(算定基礎日額×給付日数)が支給されます。年金と異なり前払一時金や差額一時金の制度はありません。なお、再発・症状悪化等で等級が上位(7級以上)に変更された場合は障害補償年金に切り替わり、既支給の一時金は精算調整されます。逆に年金受給者の障害が軽減し8級以下になった場合は一時金へ変更されます。

  • 8〜14級が対象

  • 給付日数56日分〜503日分

  • 前払一時金・差額一時金なし

試験対策のポイント

「1〜7は年金、8〜14は一時金」と覚える。年金は前払一時金・差額一時金あり、一時金にはない。給付日数は1級313日が最高、14級56日が最低。

理解度チェック(3問)

Q1. 労災保険の障害補償給付に関する記述として正しいものはどれか。

  1. 1障害等級1〜7級は一時金、8〜14級は年金として支給される。
  2. 2障害補償年金は毎月支給される。
  3. 3障害補償一時金には前払一時金制度がある。
  4. 4障害補償年金は毎年偶数月に2か月分ずつ年6回支給される。
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正解:4. 障害補償年金は毎年偶数月に2か月分ずつ年6回支給される。

障害補償年金は2月・4月・6月・8月・10月・12月の各偶数月に前2か月分が支給される。1〜7級が年金、8〜14級が一時金。前払一時金は年金受給者のみ。

Q2. 障害補償年金の前払一時金として請求できる最大日数として正しいものはどれか。

  1. 1障害等級1級で給付基礎日額の1000日分
  2. 2障害等級1級で給付基礎日額の1340日分
  3. 3障害等級7級で給付基礎日額の1000日分
  4. 4障害等級7級で給付基礎日額の1340日分
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正解:2. 障害等級1級で給付基礎日額の1340日分

労災法附則59条により、障害補償年金の前払一時金は1級で1340日分、2級1190日分、3級1050日分、4級920日分、5級790日分、6級670日分、7級560日分が上限。

Q3. 障害補償一時金の給付日数について正しいものはどれか。

  1. 18級は給付基礎日額の503日分、14級は56日分である。
  2. 28級は給付基礎日額の313日分、14級は131日分である。
  3. 3すべての等級で給付基礎日額の100日分である。
  4. 4給付日数は障害の部位により決定される。
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正解:1. 8級は給付基礎日額の503日分、14級は56日分である。

労災法別表第1により、障害補償一時金は8級503日分、9級391日分、10級302日分、11級223日分、12級156日分、13級101日分、14級56日分。313日分は1級(年金)。

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