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健康保険・年金

障害基礎年金と障害厚生年金の違い

障害給付は初診日にどの年金制度に加入していたかで支給される年金が決まります。障害基礎年金は国民年金法30条以下、障害厚生年金は厚生年金保険法47条以下が根拠法です。等級は障害基礎年金が1・2級のみであるのに対し、障害厚生年金は1〜3級+障害手当金(一時金)と幅広く、報酬比例部分の配偶者加給年金や子の加算の取扱いも異なります。保険料納付要件は両者共通で「初診日の前々月までの被保険者期間の3分の2以上が納付・免除」または「直近1年間に滞納なし」が必要です。本記事ではこれら相違点を丁寧に整理します。

比較表で見る違い

観点障害基礎年金障害厚生年金
根拠法国民年金法30条厚生年金保険法47条
初診日要件国民年金被保険者期間中等厚生年金被保険者期間中
障害等級1級・2級のみ1〜3級+障害手当金(一時金)
年金額(2025年度)1級1,017,125円・2級813,700円報酬比例(最低保障300月みなし)
子の加算あり(第1・2子各234,800円、第3子以降78,300円)なし(基礎側で加算)
配偶者加給なしあり(1・2級のみ234,800円)
20歳前傷病20歳前障害基礎年金あり(所得制限あり)対象外
保険料納付要件3分の2要件または直近1年要件同左

それぞれの詳しい解説

A障害基礎年金

国民年金法30条により、初診日に国民年金被保険者であった者、または60歳以上65歳未満で日本国内に住所を有する者等が、障害認定日(原則初診日から1年6ヶ月経過日)に障害等級1・2級に該当すれば支給されます。2025年度の年金額は1級1,017,125円(2級の1.25倍)、2級813,700円で、子の加算は第1・2子各234,800円、第3子以降78,300円です。保険料納付要件として、初診日の前々月までの被保険者期間のうち3分の2以上が納付済期間または免除期間であること、または2026年3月31日までの特例として直近1年間に保険料の滞納がないことが必要です。20歳前に初診日がある傷病については「20歳前障害基礎年金」(国年法30条の4)が支給されますが、本人所得が年額472万1,000円超で半額停止、年額370万4,000円超で全額停止の所得制限があります。

  • 1級1,017,125円・2級813,700円(2025年度)

  • 子の加算:1・2子234,800円、3子以降78,300円

  • 20歳前障害は所得制限あり

B障害厚生年金

厚生年金保険法47条により、初診日に厚生年金保険の被保険者であり、障害認定日に障害等級1〜3級に該当する者が支給対象です。年金額は報酬比例方式で、平均標準報酬額×5.481/1000×被保険者期間月数を基本としますが、被保険者期間が300月未満の場合は300月とみなして計算する最低保障があります。1級は報酬比例の1.25倍、2級は報酬比例の1.0倍、3級は報酬比例の1.0倍で最低保障額(令和7年度・新規裁定者で約623,800円=老齢基礎年金満額の3/4)が設定されています。障害基礎年金が支給される1・2級では、生計維持される65歳未満の配偶者がいる場合に配偶者加給年金額234,800円が加算されます。3級に至らない一定の障害状態には障害手当金(報酬比例×2、最低保障約1,247,600円=3級最低保障×2)が一時金として支給されます。事後重症(厚年法47条の2)・基準障害(同47条の3)の規定も重要論点です。

  • 1級=報酬比例×1.25、2級=×1.0、3級=×1.0(最低保障)

  • 300月最低保障(被保険者期間が短い場合)

  • 3級最低保障約623,800円(令和7年度新規裁定者)

  • 障害手当金:報酬比例×2の一時金

試験対策のポイント

「基礎は1・2級+子の加算、厚生は1〜3級+配偶者加給+手当金」。子は基礎側、配偶者は厚生側で加算と覚えると整理しやすいです。

理解度チェック(3問)

Q1. 障害厚生年金の障害等級として正しい範囲はどれか。

  1. 11級・2級のみ
  2. 21〜3級
  3. 31〜3級+障害手当金
  4. 41〜5級
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正解:3. 1〜3級+障害手当金

障害厚生年金は1〜3級が年金として支給され、3級に至らない一定の障害には障害手当金が一時金として支給されます。障害基礎年金は1・2級のみです。

Q2. 障害厚生年金の被保険者期間が240月の場合、年金額算定の月数はどれか。

  1. 1240月
  2. 2300月
  3. 3480月
  4. 4実際の月数で按分
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正解:2. 300月

障害厚生年金は被保険者期間が300月未満の場合、300月とみなして報酬比例部分を計算する最低保障が設けられています(厚年法51条)。

Q3. 保険料納付要件の「直近1年要件」に関する記述として正しいものはどれか。

  1. 1恒久的措置である
  2. 2初診日の前々月までの直近1年間に保険料滞納がないこと(2026年3月31日までの特例)
  3. 3初診日の前々月までの直近2年間に保険料滞納がないこと
  4. 420歳前障害には適用される
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正解:2. 初診日の前々月までの直近1年間に保険料滞納がないこと(2026年3月31日までの特例)

直近1年要件は、初診日が2026年3月31日までにある場合の特例で、初診日の前々月までの直近1年間に保険料の滞納がないことが要件です。20歳前障害には保険料納付要件自体が課されません。

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