問題
次の輸入関税と生産補助金の効果に関する文章を読んで、経済厚生分析の説明として、最も不適切なものを下記の解答群から選べ。 下図は、輸入競争財市場(たとえば農産物)を描いたものである。いま、当該財の国内需要曲線がDDで、国内供給曲線がS₁S₂で描かれている。ここで、自国は「小国」であり、当該財の国際価格をPfとする。自由貿易下での消費量はQ₁、生産量はQ₂であり、輸入量は(Q₁−Q₂)に等しい。 ここで、当該財の輸入にTの関税を賦課した場合、国内価格はPd(=Pf+T)に上昇する。この結果、消費量はQ₃に減少し、生産量はQ₄に増加する。他方、生産補助金を交付することで輸入関税の場合と同じ生産量Q₄を実現することも可能である。このとき、生産補助金の交付により、国内供給曲線はS₁S₂からS₃S₄に平行移動する。

選択肢
- 1生産者に対する補助金交付額は、四角形S₁HIS₃に相当する。
- 2生産補助金交付時の経済余剰の損失は、三角形EFGになる。
- 3生産補助金交付時の生産者余剰は、三角形PfIS₃に当たる。
- 4輸入関税下における経済余剰の損失は、三角形EFGと三角形HIJの和になる。
正解
2. 生産補助金交付時の経済余剰の損失は、三角形EFGになる。
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解説
小国モデルにおける輸入関税と生産補助金の厚生比較を問う問題で、最も不適切なものを選ぶ。 輸入関税では国内価格がPdに上昇するため、生産者の過剰生産による生産の歪み(三角形HIJ)と、消費者の過少消費による消費の歪み(三角形EFG)の双方が発生し、経済余剰の損失は両者の和になる。よってエは適切。 生産補助金では国内価格はPfのまま消費は歪まず、生産だけがQ₄まで拡大する。このため生産の歪み(三角形に相当する部分)のみが死荷重として発生し、消費の歪み三角形EFGは生じない。したがって「生産補助金交付時の経済余剰の損失は三角形EFGになる」とするイは誤りであり、これが最も不適切な記述として正解となる(イ)。 アの補助金交付額(供給曲線の垂直差×生産量=四角形S₁HIS₃)、ウの補助金交付後の生産者余剰(三角形PfIS₃)はいずれも図に整合し適切である。 (出典: 一般社団法人 中小企業診断協会 平成21年度 中小企業診断士1次試験 経済学・経済政策 第10問)
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