問題
次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。 株価下落や不良債権増大に直面した銀行は、中小企業を含む民間企業への貸し出しを減らす必要に迫られる。健全な企業に対しても銀行側の都合で貸し出しが減少するなど、貸し渋り、貸しはがしのような社会問題が発生した。 このような銀行の行動の背景には、銀行が国際取引を行う際の自己資本比率に関する規制がある。その規制は、「自己資本比率が8%以上でなければ、銀行は国際的な業務ができない」というものである。 以下では、自己資本比率に関する規制について、次のような単純な構造を考える。 自己資本比率=自己資本÷貸し出し 自己資本=基本項目+補完項目 基本項目:資本金+法定準備金+剰余金など 補完項目:株式・社債の含み益(その45%を上限)など ただし、補完項目の合計が基本項目の合計を超えてはならない。 ここで、次のような単純化された資本構成の銀行を考える。 基本項目は、36億円。 補完項目は、株式・社債の含み益のみで、その額は80億円。 貸し出しは、民間貸し出しのみ900億円。 この場合、自己資本比率は8%である。 自己資本比率={36+80×(45/100)}÷900=0.08 (設問1) 株価下落などにより、株式・社債の含み益が半分の40億円に低下した場合、自己資本比率は何%になるか。最も適切なものを選べ。
選択肢
- 13%
- 24%
- 35%
- 46%
- 57%
正解
4. 6%
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解説
本問は自己資本比率規制(BIS規制)の計算問題である。補完項目に算入できる株式・社債の含み益は「その45%を上限」とされている点に注意する。 株式・社債の含み益が80億円から半分の40億円に低下した場合、補完項目に算入できる額は40×(45/100)=18億円となる。なお補完項目18億円は基本項目36億円を超えていないため、全額が自己資本に算入できる。 したがって自己資本=基本項目36億円+補完項目18億円=54億円となる。貸し出しは900億円のままであるから、自己資本比率=54÷900=0.06、すなわち6%となる。 よって正解はエ(6%)である。含み益の45%という上限を見落とすと誤った計算になるため、規制の定義を正確に押さえることが重要である。 (出典: 一般社団法人 中小企業診断協会 平成21年度 中小企業診断士1次試験 経済学・経済政策 第17問 設問1)
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