問題
次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。 B社は全額株主資本で事業活動を行っており、企業価値は1億円である。 (設問2)B社と資産内容が全く同じで、同一の事業を営むC社が存在するものとする。したがって、C社が生み出す毎期のEBITの確率分布は、B社と全く同一である。ただし、C社とB社では資本構成が異なっており、C社は5,000万円の負債を利用している。この負債の利子率は3%である。この市場において、法人税のみが存在しその実効税率が40%であるとすれば、B社の企業価値とC社の企業価値との差はどのようになるか、最も適切なものを選べ。
選択肢
- 1C社の企業価値はB社と変わらない。
- 2C社の企業価値はB社より200万円小さい。
- 3C社の企業価値はB社より2,000万円大きい。
- 4C社の企業価値はB社より5,000万円大きい。
正解
3. C社の企業価値はB社より2,000万円大きい。
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解説
MM理論(モディリアーニ・ミラー)の修正命題(法人税考慮)に基づく問題である。 【MM命題I(法人税考慮)】 法人税が存在する場合、負債を利用する企業の価値は、無借金企業の価値に「負債利用による節税効果(タックスシールド)」を加えた額となる。 VL=VU+D×t ここで、 VL:負債利用企業(レバード)の価値 VU:無借金企業(アンレバード)の価値 D:負債額 t:実効税率 【本問への適用】 B社:無借金企業、企業価値VB=1億円 C社:負債5,000万円、利子率3%(ただし、この利子率はMM命題の負債価値計算には直接影響しない)、実効税率40% C社の企業価値=B社の企業価値+D×t =1億円+5,000万円×0.4 =1億円+2,000万円 =1億2,000万円 したがってC社の企業価値はB社より2,000万円大きい。よってウが正解。 【補足】 本問はMM命題(法人税考慮)の典型問題。負債利用による節税効果は、利息の支払額×税率ではなく「負債残高×税率」となる。これは、節税効果が毎期D×rD×t(rD:負債利子率)で永続的に発生する場合、その現在価値はD×rD×t÷rD=D×t(永久年金の現在価値計算)となるためである。よってウが正解。(出典: 一般社団法人 中小企業診断協会 平成22年度 中小企業診断士1次試験 財務・会計 第14問 設問2)
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