問題
日本において設立された株式会社甲はヤングカジュアル衣類を製造販売する会社であるが、このたび、上海に主たる営業所がある中国の会社である会社乙と、会社乙がデザイン・製造したカジュアルジャケットαについて売買契約を締結しようとしている。 以上の事情を前提に、株式会社甲の代表取締役社長と中小企業診断士をめざしているあなたとの次の会話を読み、下線部1〜4のあなたの回答のうち最も適切なものを下記の解答群から選べ。 (中略) 下線部1:「契約書には一般的に準拠法の定めがあるはずです。それがない場合には、製品の買主側、すなわち、日本の法律が適用されることになりますよ。」 下線部2:「契約書で何も規定していない場合は、近年、日本でも発効した国際物品売買契約に関する国際連合条約に従って、運送費は買主負担になるので、運送費の負担方法だけでも契約書で規定していた方がいいと思いますよ。」 下線部3:「会社乙日本支店の日本における代表者の名の下に、会社乙と国内で契約締結することも可能ですよ。ただ、外国会社の支店といっても、本社から独立して法人格を有するわけではないので、結局、契約の相手方は会社乙ですけどね。」 下線部4:「それは、裁判管轄の問題ですね。ただ、契約上の裁判管轄がどこであれ、契約書が日本語であれば、日本で提訴することが可能ですよ。でも、強制執行するときは、結局、中国まで行かなくてはならないから、中国で提訴するのと一緒ですね。」
選択肢
- 1下線部1
- 2下線部2
- 3下線部3
- 4下線部4
正解
3. 下線部3
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解説
下線部3が正しい。外国会社が日本に支店を設置し、日本における代表者を定めて登記した場合、その代表者の名で日本国内において会社乙の代理として契約締結することが可能である(会社法第817条等)。ただし支店は本社から独立した法人格を持たず、契約の相手方は本社(会社乙)となる。下線部1は誤り:通則法(法の適用に関する通則法)第8条第1項により、当事者による準拠法の選択がない場合、契約に最も密接な関係がある国の法(特徴的給付の理論で原則として売主の所在地法)が適用されるため、買主側の日本法ではなく売主の中国法が適用される可能性が高い。下線部2は誤り:CISG(ウィーン売買条約)に運送費を買主負担とする一般的規定はなく、運送費の負担はインコタームズ等の貿易条件で個別に定まる。下線部4は誤り:契約上の裁判管轄合意がある場合(専属的合意管轄)、その合意に従う必要があり、日本語であれば日本で提訴可能というわけではない。(出典: 一般社団法人 中小企業診断協会 平成22年度 中小企業診断士1次試験 経営法務 第13問)
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