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第3章 主な医薬品

アセトアミノフェンとイブプロフェンの違い

かぜ薬や解熱鎮痛薬として広く使われるアセトアミノフェンとイブプロフェンは、いずれも解熱・鎮痛作用を持つ代表的な成分ですが、登録販売者試験ではその作用機序・副作用プロファイル・使用上の注意の違いが繰り返し問われます。アセトアミノフェンは中枢に作用し抗炎症作用をほとんど持たない一方、イブプロフェンは末梢でCOXを阻害して炎症も抑えるNSAIDsです。それぞれに特徴的な禁忌や副作用があるため、購入者への説明で取り違えると重大な健康被害につながりかねません。本記事では両成分の違いを試験頻出ポイントに沿って整理します。

比較表で見る違い

観点アセトアミノフェンイブプロフェン
分類解熱鎮痛薬(非ピリン系)解熱鎮痛薬(NSAIDs/プロピオン酸系)
作用機序主に中枢神経系(視床下部)に作用し解熱・鎮痛末梢でシクロオキシゲナーゼ(COX)を阻害しプロスタグランジン産生を抑制
抗炎症作用ほとんどなしあり(鎮痛・解熱に加え炎症も抑える)
主な副作用重篤な肝機能障害(過量投与で顕著)胃腸障害、腎機能障害、まれに無菌性髄膜炎
小児への使用小児にも比較的使いやすい(インフルエンザ・水痘でも選択肢)15歳未満の小児への一般用は不可(アスピリン喘息・ライ症候群リスクの観点から制限)
妊婦・喘息比較的安全とされるが自己判断は避け医師に相談妊娠後期は禁忌、アスピリン喘息既往者は使用不可
リスク区分(一般用)第2類医薬品(製品により指定第2類)指定第2類医薬品が中心
主な商品例タイレノールA、ノーシンAc等イブA錠、ナロンエース、リングルアイビー等

それぞれの詳しい解説

Aアセトアミノフェン

アセトアミノフェンは中枢神経系の体温調節中枢や痛覚閾値に作用して解熱・鎮痛効果を発揮する成分で、抗炎症作用はほとんどありません。胃腸障害が比較的少なく、空腹時にも服用しやすいことから、小児用解熱鎮痛薬の主成分として広く配合されます。一方で過量投与や長期連用では重篤な肝機能障害を起こす危険があり、アルコール常飲者では特に注意が必要です。インフルエンザや水痘の小児にもライ症候群リスクが少なく選択しやすい成分として、登録販売者は接客時にきちんと案内できる必要があります。

  • 中枢性に作用し解熱・鎮痛効果を発揮(抗炎症作用はほぼなし)

  • 胃への負担が少なく空腹時にも比較的使いやすい

  • 過量・長期連用で重篤な肝障害(劇症肝炎)に注意

  • アルコール常飲者では肝障害リスクが上昇

  • 小児用かぜ薬・解熱鎮痛薬の主成分として頻用

Bイブプロフェン

イブプロフェンはプロピオン酸系NSAIDsの代表で、末梢でCOXを阻害してプロスタグランジン産生を抑え、解熱・鎮痛・抗炎症の三作用を示します。生理痛や頭痛、関節痛など炎症を伴う痛みに有効ですが、胃粘膜保護プロスタグランジンも抑制するため胃腸障害を起こしやすく、腎血流低下による腎機能障害のリスクもあります。アスピリン喘息既往者は使用禁忌、妊娠後期も胎児動脈管収縮の懸念から禁忌です。一般用医薬品では15歳未満の小児に使用できない点も登録販売者試験で頻出の論点です。

  • COX阻害によりプロスタグランジン産生を抑制(抗炎症作用あり)

  • 胃腸障害(胃痛・胃出血)や腎機能障害に注意

  • アスピリン喘息の既往がある人には使用不可

  • 妊娠後期の女性には使用禁忌(胎児動脈管収縮)

  • 一般用は15歳未満の小児には使用しない

試験対策のポイント

アセトアミノフェンは「中枢のみ・抗炎症なし・肝障害」、イブプロフェンは「末梢COX阻害・抗炎症あり・胃腸/腎・喘息/妊娠後期禁忌」。副作用と禁忌の違いをセットで覚えましょう。

理解度チェック(3問)

Q1. アセトアミノフェンに関する記述として、正しいものはどれか。

  1. 1末梢でシクロオキシゲナーゼを阻害し強い抗炎症作用を示す。
  2. 2主として中枢神経系に作用し、抗炎症作用はほとんど期待できない。
  3. 3アスピリン喘息の既往がある人にも安心して勧められる第1選択である。
  4. 4一般用医薬品では15歳未満の小児には使用できない。
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正解:2. 主として中枢神経系に作用し、抗炎症作用はほとんど期待できない。

アセトアミノフェンは中枢神経系に作用し解熱・鎮痛を示しますが、抗炎症作用はほとんどありません。NSAIDsとは異なり胃腸障害は起こしにくいものの、過量投与で重篤な肝障害を起こすため注意が必要です。15歳未満の小児にも比較的使いやすい成分です。

Q2. イブプロフェンの使用上の注意として、適切でないものはどれか。

  1. 1アスピリン喘息の既往がある人には使用しない。
  2. 2妊娠後期の女性には使用しない。
  3. 3一般用医薬品では15歳未満の小児にも自由に使用できる。
  4. 4胃・十二指腸潰瘍の既往がある人は服用前に医師に相談する。
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正解:3. 一般用医薬品では15歳未満の小児にも自由に使用できる。

イブプロフェンは一般用医薬品では15歳未満の小児には使用できません。アスピリン喘息既往者・妊娠後期の女性は禁忌、胃腸障害や腎障害のリスクから消化性潰瘍既往者は服用前相談が必要です。

Q3. アセトアミノフェンとイブプロフェンの副作用に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. 1アセトアミノフェンは過量投与で重篤な肝機能障害を生じることがある。
  2. 2イブプロフェンは肝障害のリスクのみで胃腸障害は起こさない。
  3. 3両成分とも妊娠後期の女性に禁忌である。
  4. 4アセトアミノフェンは抗炎症作用が強くアスピリン喘息を誘発しやすい。
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正解:1. アセトアミノフェンは過量投与で重篤な肝機能障害を生じることがある。

アセトアミノフェンは過量・長期連用や飲酒併用で重篤な肝障害を生じます。イブプロフェンは胃腸障害・腎機能障害が代表的副作用で妊娠後期に禁忌、アセトアミノフェンは抗炎症作用が弱くアスピリン喘息のリスクは低いとされます。

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