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第3章 主な医薬品

コデインとデキストロメトルファンの違い

せき止め薬の代表的な成分であるコデインリン酸塩とデキストロメトルファン臭化水素酸塩は、いずれも延髄の咳嗽中枢に作用して鎮咳効果を示しますが、麻薬性/非麻薬性の違いと依存性、便秘などの副作用、小児への使用制限の観点で大きく異なります。特に近年、12歳未満へのコデイン類使用制限が強化され、登録販売者試験でも頻出論点となっています。本記事では両成分の違いを試験対策の観点で整理し、OTC商品の適正使用を考える際に必要な知識をまとめます。

比較表で見る違い

観点コデインリン酸塩デキストロメトルファン臭化水素酸塩
分類麻薬性鎮咳成分非麻薬性鎮咳成分
作用機序延髄の咳嗽中枢に作用(オピオイド受容体刺激)延髄の咳嗽中枢に作用(オピオイド作用なし)
鎮痛・呼吸抑制作用あり(モルヒネ類縁体)ほぼなし
依存性あり(長期・大量で身体的依存/乱用リスク)ほぼないが乱用例あり(CYP2D6で代謝)
12歳未満への使用一般用医薬品では使用不可(呼吸抑制リスク)一般用では使用可(用法用量に従う)
便秘起こりやすい(腸管運動抑制)比較的起こりにくい
妊婦への使用長期服用で胎児に依存性が生じる可能性安全性は確立されておらず相談が望ましい
主な商品例ジヒドロコデインリン酸塩配合のせき止め(パブロンせき止め等)メジコンせき止め錠Pro、コンタックせき止めST等

それぞれの詳しい解説

Aコデインリン酸塩(および類似のジヒドロコデイン)

コデインリン酸塩はモルヒネを母核とする麻薬性鎮咳成分で、延髄の咳嗽中枢を強力に抑制して鎮咳効果を示します。同時にオピオイド受容体への作用により呼吸抑制、便秘、眠気、悪心等を生じ、長期・大量使用では身体的依存も生じうる成分です。日本では小児における呼吸抑制死亡例の報告等を受け、一般用医薬品では12歳未満の小児への使用は禁忌となりました。妊婦が長期服用すると胎児に依存性が生じる恐れもあり、登録販売者として購入者の年齢確認や使用期間の助言は必須です。

  • モルヒネ類縁の麻薬性成分で強力な鎮咳作用

  • 12歳未満の小児には一般用医薬品で使用不可

  • 長期・大量使用で身体的依存・乱用リスク

  • 腸管運動抑制により便秘を起こしやすい

  • 呼吸抑制・眠気・悪心等の副作用に注意

Bデキストロメトルファン臭化水素酸塩

デキストロメトルファン臭化水素酸塩はモルヒネ骨格を持つものの、オピオイド受容体への作用がほぼなく、麻薬指定を受けない非麻薬性鎮咳成分です。延髄の咳嗽中枢に作用して鎮咳効果を示し、コデインに比べ便秘などの消化器症状を起こしにくいのが特徴です。CYP2D6で代謝され、MAO阻害薬との併用や過量摂取で精神症状・セロトニン症候群様症状を生じうる点に注意します。OTCでは「メジコンせき止め錠Pro」等に配合され、12歳未満にも用法用量を守れば使用可能ですが、乱用報告もあるため購入時の確認が大切です。

  • モルヒネ骨格を持つが非麻薬性で依存性は弱い

  • 便秘などの消化器副作用が比較的少ない

  • MAO阻害薬・SSRIとの併用に注意(セロトニン症候群)

  • 12歳未満にも用法用量を守れば使用可能

  • まれに乱用される例があり購入時の確認が必要

試験対策のポイント

「コデイン=麻薬性・依存/呼吸抑制・便秘・12歳未満不可」「デキストロメトルファン=非麻薬性・便秘少・小児可」と整理。麻薬性かどうかが分岐点です。

理解度チェック(3問)

Q1. コデインリン酸塩水和物に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. 1非麻薬性鎮咳成分であり依存性はない。
  2. 2一般用医薬品では12歳未満の小児にも自由に使用できる。
  3. 3延髄の咳嗽中枢に作用し、便秘や呼吸抑制を生じることがある。
  4. 4腸管運動を促進し下痢を起こしやすい。
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正解:3. 延髄の咳嗽中枢に作用し、便秘や呼吸抑制を生じることがある。

コデインリン酸塩水和物は麻薬性鎮咳成分で延髄の咳嗽中枢に作用し、便秘・呼吸抑制・眠気・依存などのリスクがあります。日本では呼吸抑制リスクから一般用医薬品で12歳未満への使用が禁忌となっています。

Q2. デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物の特徴として、適切でないものはどれか。

  1. 1非麻薬性の鎮咳成分である。
  2. 2便秘などの消化器症状はコデインと比べ起こりにくい。
  3. 3MAO阻害薬との併用は避けるべきである。
  4. 4麻薬性鎮咳成分に分類され強い依存性が問題となる。
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正解:4. 麻薬性鎮咳成分に分類され強い依存性が問題となる。

デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物は非麻薬性の鎮咳成分です。コデインに比べ便秘・呼吸抑制を起こしにくいものの、MAO阻害薬との併用でセロトニン症候群様症状をきたす可能性があり注意が必要です。

Q3. 鎮咳成分の使用に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. 1コデインは妊婦が長期に使用しても胎児に影響しない。
  2. 2デキストロメトルファンは12歳未満には一切使用してはならない。
  3. 3コデインは便秘を起こしやすく、もともと便秘傾向のある人には注意が必要である。
  4. 4両成分とも麻薬指定を受けており取扱いが厳しく制限される。
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正解:3. コデインは便秘を起こしやすく、もともと便秘傾向のある人には注意が必要である。

コデインは腸管運動を抑制し便秘を起こしやすいため、便秘傾向の人には注意が必要です。妊婦が長期服用すると胎児依存のリスクがあり、デキストロメトルファンは用法用量を守れば12歳未満にも使用可、麻薬指定はコデイン側のみです。

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