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第3章 主な医薬品

マオウとカンゾウの違い

マオウとカンゾウは、かぜ薬や鎮咳去痰薬に配合される代表的な生薬で、登録販売者試験第3章では成分や副作用の違いを問う問題が頻出です。マオウはエフェドリンを含み交感神経興奮作用や気管支拡張作用を示す一方、カンゾウはグリチルリチン酸を含み抗炎症・鎮咳作用を示します。共に多くの漢方処方に配合されますが、副作用プロファイルや禁忌対象が異なり、特にカンゾウの偽アルドステロン症やマオウのスポーツドーピング規制は接客時の説明ポイントです。本記事では両生薬の違いを試験頻出の観点に沿って整理します。

比較表で見る違い

観点マオウ(麻黄)カンゾウ(甘草)
基原・分類マオウ科Ephedra属の地上茎を基原とする生薬マメ科Glycyrrhiza属の根・ストロンを基原とする生薬
主な成分エフェドリン、プソイドエフェドリン等グリチルリチン酸、フラボノイド類
主な薬理作用交感神経興奮(α・β刺激)、気管支拡張、発汗促進抗炎症・抗アレルギー、鎮咳去痰、グルココルチコイド様作用
主な副作用動悸・血圧上昇・不眠・排尿困難偽アルドステロン症(血圧上昇・むくみ・低カリウム血症)
注意すべき人心疾患・高血圧・甲状腺機能亢進症・糖尿病・前立腺肥大症高齢者・高血圧・心疾患・腎臓病、複数製剤での重複服用に注意
配合される代表処方葛根湯、麻黄湯、小青竜湯、麦門冬湯(一部)甘草湯、芍薬甘草湯のほか多くの漢方処方に広く配合
ドーピング規制エフェドリンは競技会時に禁止物質(スポーツ選手は使用不可)通常は競技規則上の禁止対象ではない
相互作用モノアミン酸化酵素阻害薬、他の交感神経刺激薬との併用注意ループ利尿薬等との併用で低カリウム血症が増悪

それぞれの詳しい解説

Aマオウ(麻黄)

マオウはマオウ科Ephedra属植物の地上茎を基原とする生薬で、主成分エフェドリン・プソイドエフェドリンによる交感神経興奮作用を示します。気管支拡張作用に加え、発汗促進・利尿作用もあり、葛根湯・麻黄湯・小青竜湯などの代表的なかぜ薬・鎮咳去痰薬に配合されます。一方で動悸、血圧上昇、不眠、排尿困難などの副作用を起こすため、心疾患・高血圧・甲状腺機能亢進症・糖尿病・前立腺肥大症の人には注意が必要です。エフェドリンはスポーツ競技会での禁止物質に該当し、登録販売者は購入者にドーピングの観点でも情報提供が求められます。

  • 主成分エフェドリンによる交感神経興奮作用

  • 気管支拡張・発汗・利尿作用を示す

  • 動悸・血圧上昇・不眠・排尿困難に注意

  • 心疾患・高血圧・甲状腺亢進・糖尿病・前立腺肥大症は要注意

  • 競技会時のドーピング規制対象(スポーツ選手は要注意)

Bカンゾウ(甘草)

カンゾウはマメ科Glycyrrhiza属植物の根およびストロンを基原とする生薬で、主成分グリチルリチン酸が抗炎症・鎮咳去痰作用を示します。多くの漢方処方や鎮咳去痰薬・かぜ薬・胃腸薬に幅広く配合され、知らずに複数製剤を併用するとグリチルリチン酸の総摂取量が増えて偽アルドステロン症(血圧上昇、むくみ、低カリウム血症)を起こす危険があります。高齢者やループ利尿薬を服用している人で特にリスクが高く、登録販売者は重複配合の有無を確認する必要があります。1日の総量目安として、グリチルリチン酸として40mg以上の摂取は長期連用を避けるべき水準です。

  • 主成分グリチルリチン酸による抗炎症・鎮咳作用

  • 多くの漢方処方に配合され併用で重複摂取に注意

  • 偽アルドステロン症(血圧上昇・むくみ・低K血症)

  • 高齢者・心疾患・腎疾患・利尿薬服用者で特に注意

  • 1日グリチルリチン酸40mg以上の長期連用は避ける

試験対策のポイント

「マオウ=エフェドリン・気管支拡張・交感神経興奮(高血圧/心疾患/ドーピング注意)」「カンゾウ=グリチルリチン酸・抗炎症・偽アルドステロン症」。副作用の主役を取り違えないこと。

理解度チェック(3問)

Q1. マオウに関する記述として、正しいものはどれか。

  1. 1マオウの主成分はグリチルリチン酸で抗炎症作用を示す。
  2. 2マオウは交感神経興奮作用を持ち、心疾患のある人には注意が必要である。
  3. 3マオウはスポーツ競技会において禁止物質に該当しない。
  4. 4マオウは偽アルドステロン症の主な原因生薬である。
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正解:2. マオウは交感神経興奮作用を持ち、心疾患のある人には注意が必要である。

マオウの主成分はエフェドリン等で交感神経興奮作用を示し、動悸や血圧上昇を起こすため心疾患・高血圧・甲状腺機能亢進症等の人に注意が必要です。グリチルリチン酸はカンゾウの主成分、エフェドリンは競技会時に禁止物質に該当します。

Q2. カンゾウについて、誤っているものはどれか。

  1. 1主成分のグリチルリチン酸は抗炎症作用を示す。
  2. 2長期連用や大量摂取により偽アルドステロン症を起こすことがある。
  3. 3マメ科Glycyrrhiza属植物の根およびストロンを基原とする。
  4. 4甘草は気管支拡張作用を主とする生薬で、心疾患には禁忌である。
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正解:4. 甘草は気管支拡張作用を主とする生薬で、心疾患には禁忌である。

カンゾウは抗炎症・鎮咳作用を持つ生薬で、気管支拡張作用を主とするのはマオウです。グリチルリチン酸の長期・過量摂取で偽アルドステロン症(血圧上昇・むくみ・低K血症)を起こすため、複数の漢方併用に注意が必要です。

Q3. マオウとカンゾウの組合せに関する記述として、適切なものはどれか。

  1. 1マオウもカンゾウも交感神経興奮作用が主たる薬理作用である。
  2. 2マオウは葛根湯や小青竜湯に、カンゾウは多くの漢方処方に配合される。
  3. 3マオウは長期連用により偽アルドステロン症を生じやすい。
  4. 4カンゾウはスポーツ競技会で禁止物質として規制されている。
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正解:2. マオウは葛根湯や小青竜湯に、カンゾウは多くの漢方処方に配合される。

マオウは葛根湯・麻黄湯・小青竜湯などに、カンゾウは多くの漢方処方に幅広く配合されます。交感神経興奮作用はマオウ、偽アルドステロン症はカンゾウ、ドーピング規制はマオウの主成分エフェドリンに関するものです。

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