違いシリーズ一覧に戻る
第3章 主な医薬品

第1世代と第2世代の抗ヒスタミン薬の違い

アレルギー性鼻炎や蕁麻疹、かぜ薬の鼻症状緩和成分として広く配合される抗ヒスタミン薬は、世代によって特徴が大きく異なります。第1世代は中枢移行性が高く眠気や抗コリン作用が出やすい一方、即効性があり睡眠改善薬としても利用されます。第2世代は中枢移行性が抑えられ眠気が出にくいよう設計され、長時間作用が特徴です。登録販売者試験では世代ごとの代表成分・副作用・適応の違いが頻出するため、本記事では試験出題範囲に沿って両世代の差を整理します。

比較表で見る違い

観点第1世代抗ヒスタミン薬第2世代抗ヒスタミン薬
中枢移行性高い(脳内ヒスタミン受容体も遮断)低い(脳内移行を抑える設計)
眠気強く出やすい比較的少ない
抗コリン作用強い(口渇・便秘・排尿困難・散瞳)弱い~ほぼなし
効果発現速い比較的緩やか
作用持続短い(4~6時間程度)長い(12~24時間)
代表成分ジフェンヒドラミン、クロルフェニラミンマレイン酸塩、ジメンヒドリナートフェキソフェナジン塩酸塩、ロラタジン、エピナスチン、セチリジン
主な用途・配合かぜ薬・鼻炎用内服薬・睡眠改善薬・乗物酔い薬アレルギー専用鼻炎薬・じんましん用OTC
OTCでの位置づけ指定第2類が中心、ジフェンヒドラミンは睡眠改善薬として第2類第1類または第2類(成分により異なる)

それぞれの詳しい解説

A第1世代抗ヒスタミン薬

第1世代抗ヒスタミン薬はヒスタミンH1受容体を遮断するとともに、脂溶性が高く血液脳関門を通過しやすいため中枢神経系のH1受容体も遮断し、強い眠気を生じます。さらにムスカリン受容体遮断による抗コリン作用が強く、口渇・便秘・排尿困難・眼圧上昇などを引き起こします。即効性があり、ジフェンヒドラミンは催眠作用を利用して睡眠改善薬「ドリエル」等に、ジメンヒドリナートは乗物酔い薬として配合されます。前立腺肥大や緑内障の人への使用は登録販売者試験で頻出の禁忌・注意事項です。

  • 中枢移行性が高く強い眠気を生じる

  • 抗コリン作用により口渇・便秘・排尿困難・眼圧上昇に注意

  • 前立腺肥大症・緑内障の人には使用を避ける

  • ジフェンヒドラミン=睡眠改善薬の主成分(授乳婦は禁忌)

  • クロルフェニラミンマレイン酸塩はかぜ薬・鼻炎薬で頻用

B第2世代抗ヒスタミン薬

第2世代抗ヒスタミン薬は脂溶性を下げるなどの工夫により中枢移行性が抑えられ、第1世代に比べて眠気や抗コリン作用が大幅に軽減された成分群です。フェキソフェナジン・ロラタジン・エピナスチン・セチリジンなどが代表で、効果は緩やかに発現するものの作用持続が長く、1日1~2回の服用で済むのが特徴です。OTCでは「アレグラFX」「クラリチンEX」等の鼻炎・蕁麻疹用が販売され、第1類医薬品として薬剤師による情報提供が求められる成分も含まれます。眠気が少ないとはいえゼロではなく、自動車運転等に関する記載は接客時に確認が必要です。

  • 中枢移行性が低く眠気・抗コリン作用が少ない

  • 効果発現は緩やかだが12~24時間と作用持続が長い

  • フェキソフェナジン・ロラタジン等は第1類または第2類で販売

  • 車の運転制限など製品ごとの注意書きを確認する

  • アレルギー性鼻炎・蕁麻疹のセルフメディケーションに有用

試験対策のポイント

「第1世代=中枢移行・眠気と抗コリン強い・即効短時間」「第2世代=中枢移行少・眠気少なく長時間作用」。代表成分とOTC商品名を世代別にセットで暗記しましょう。

理解度チェック(3問)

Q1. 第1世代抗ヒスタミン薬の特徴として、正しいものはどれか。

  1. 1中枢移行性が低く眠気をほとんど生じない。
  2. 2抗コリン作用が強く前立腺肥大症の人には注意が必要である。
  3. 3作用持続時間が極めて長く1日1回服用で十分である。
  4. 4眠気を生じないため睡眠改善薬には用いられない。
解答・解説を見る

正解:2. 抗コリン作用が強く前立腺肥大症の人には注意が必要である。

第1世代抗ヒスタミン薬は抗コリン作用が強く、前立腺肥大症の人で排尿困難を悪化させる恐れがあります。中枢移行性が高く眠気を生じやすく、ジフェンヒドラミンは睡眠改善薬として活用されます。作用持続は短く頻回服用が必要な傾向があります。

Q2. 第2世代抗ヒスタミン薬に該当する成分はどれか。

  1. 1ジフェンヒドラミン塩酸塩
  2. 2クロルフェニラミンマレイン酸塩
  3. 3フェキソフェナジン塩酸塩
  4. 4ジメンヒドリナート
解答・解説を見る

正解:3. フェキソフェナジン塩酸塩

フェキソフェナジン塩酸塩は第2世代抗ヒスタミン薬の代表成分で、アレグラFX等に配合されます。ジフェンヒドラミン・クロルフェニラミン・ジメンヒドリナートはいずれも第1世代に分類されます。

Q3. 抗ヒスタミン薬に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. 1第2世代は第1世代より作用時間が長い傾向がある。
  2. 2ジフェンヒドラミンは授乳婦が服用すると乳汁中に移行し乳児に影響する恐れがある。
  3. 3第2世代は中枢移行性が抑えられ眠気が少ないが運転注意の表示がある製品もある。
  4. 4第1世代は緑内障や前立腺肥大症の人にも安全に勧められる。
解答・解説を見る

正解:4. 第1世代は緑内障や前立腺肥大症の人にも安全に勧められる。

第1世代抗ヒスタミン薬は強い抗コリン作用を持ち、緑内障では眼圧上昇、前立腺肥大症では排尿困難の悪化を招く恐れがあるため使用を避けます。他の選択肢の記述はいずれも正しい内容です。

同じ分野の「違い」記事

登録販売者 記憶定着問題で演習する