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第3章 主な医薬品

H2ブロッカーとPPIの違い

胃酸過多や胸やけ、胃痛に対する代表的な薬として広く知られるH2ブロッカーとPPI(プロトンポンプ阻害薬)は、いずれも胃酸分泌を強力に抑制する薬剤ですが、登録販売者試験では作用機序・効果の強さ・OTCでの取り扱いの違いが問われます。H2ブロッカーは胃壁細胞のヒスタミンH2受容体を遮断、PPIは胃酸を最終的に分泌するプロトンポンプを直接阻害します。日本のOTCではH2ブロッカー(ファモチジン等)はガスター10など第1類医薬品として販売される一方、PPIは原則医療用医薬品として処方されるという点も重要です。

比較表で見る違い

観点H2ブロッカー(H2受容体拮抗薬)PPI(プロトンポンプ阻害薬)
作用機序胃壁細胞のヒスタミンH2受容体を選択的に遮断し胃酸分泌を抑制胃壁細胞のH+/K+-ATPase(プロトンポンプ)を直接不可逆的に阻害
効果の強さ強力(PPIに次ぐ胃酸分泌抑制作用)より強力で持続的な胃酸分泌抑制効果
効果発現比較的速い(服用後数十分~数時間)効果発現に1~数日かかることがある
代表成分ファモチジン、ニザチジン、ロキサチジン酢酸エステルオメプラゾール、ランソプラゾール、エソメプラゾール、ラベプラゾール
主な適応胃痛・胸やけ・胃もたれ・胃酸過多症状の緩和胃・十二指腸潰瘍、逆流性食道炎、ヘリコバクター・ピロリ除菌補助
主な副作用まれに肝機能障害、再生不良性貧血、無顆粒球症等長期使用で骨折リスク・低マグネシウム血症・腸管感染症リスク
OTCでの位置づけ第1類医薬品(薬剤師による情報提供必須)原則医療用医薬品としてのみ処方(一般用OTCはほぼなし)
購入時の特徴ガスター10・アシノンZ等として薬局カウンター後ろで販売医療機関を受診し処方箋に基づき調剤・交付

それぞれの詳しい解説

AH2ブロッカー(H2受容体拮抗薬)

H2ブロッカーは胃壁細胞のヒスタミンH2受容体を選択的に遮断することで胃酸分泌を抑制する薬剤です。ファモチジン・ニザチジン・ロキサチジン酢酸エステル等が代表で、OTCでは「ガスター10」「アシノンZ」などが第1類医薬品として販売されます。第1類のため薬剤師による情報提供が必須で、登録販売者は販売できません。胸やけや胃痛、胃酸過多に対し比較的速やかに効果を示し、3日間使用しても改善しない場合は受診を勧めるよう添付文書で指示されています。重大副作用として肝機能障害、無顆粒球症、再生不良性貧血等がまれに報告されています。

  • 胃壁細胞H2受容体を選択的に遮断し胃酸分泌を抑制

  • 代表成分はファモチジン、ニザチジン、ロキサチジン酢酸エステル

  • OTCは第1類医薬品で薬剤師による情報提供が必須

  • 3日間使用して症状が改善しない場合は受診を勧める

  • 重大副作用にまれな肝障害・血液障害がある

BPPI(プロトンポンプ阻害薬)

PPI(プロトンポンプ阻害薬)は胃壁細胞において胃酸を最終的に分泌するH+/K+-ATPase(プロトンポンプ)を不可逆的に阻害し、強力かつ持続的に胃酸分泌を抑える薬剤です。オメプラゾール、ランソプラゾール、エソメプラゾール、ラベプラゾールなどが該当し、胃・十二指腸潰瘍、逆流性食道炎、ヘリコバクター・ピロリ除菌補助療法に幅広く用いられます。日本では原則医療用医薬品として処方され、一般用医薬品としてOTC販売されているものはほぼありません。長期使用では骨折リスク、低マグネシウム血症、Clostridioides difficile腸炎等のリスクが指摘されており、漫然とした連用は避けるべき薬剤群です。

  • H+/K+-ATPase(プロトンポンプ)を不可逆的に阻害

  • 強力で持続的な胃酸分泌抑制が特徴

  • 逆流性食道炎・消化性潰瘍・ピロリ除菌補助に使用

  • 日本のOTCはほぼなく原則医療用として処方される

  • 長期使用で骨折・低Mg血症・腸管感染症リスク

試験対策のポイント

「H2ブロッカー=H2受容体遮断・第1類OTC(ガスター10等)」「PPI=プロトンポンプ阻害・原則医療用」。OTCで買えるのはH2ブロッカーまで、と覚えるのが試験対策の近道です。

理解度チェック(3問)

Q1. H2ブロッカーに関する記述として、正しいものはどれか。

  1. 1胃壁細胞のプロトンポンプを直接阻害する薬剤である。
  2. 2胃壁細胞のヒスタミンH2受容体を遮断して胃酸分泌を抑制する。
  3. 3日本では一般用医薬品としては販売されておらず医療用のみである。
  4. 4一般用医薬品では第3類医薬品として広く販売されている。
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正解:2. 胃壁細胞のヒスタミンH2受容体を遮断して胃酸分泌を抑制する。

H2ブロッカーは胃壁細胞のヒスタミンH2受容体を選択的に遮断し胃酸分泌を抑制します。プロトンポンプを阻害するのはPPIです。OTCではガスター10等が第1類医薬品として販売され、購入時には薬剤師による情報提供が必要です。

Q2. PPI(プロトンポンプ阻害薬)の特徴として、適切でないものはどれか。

  1. 1胃壁細胞のH+/K+-ATPaseを不可逆的に阻害する。
  2. 2オメプラゾールやランソプラゾールが代表成分である。
  3. 3日本では一般用医薬品(OTC)として広く販売され登録販売者が販売できる。
  4. 4長期使用で骨折リスクや低マグネシウム血症が指摘されている。
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正解:3. 日本では一般用医薬品(OTC)として広く販売され登録販売者が販売できる。

PPIは日本では原則医療用医薬品として処方される薬剤群で、一般用医薬品としてのOTC販売はほぼ行われていません。プロトンポンプを不可逆的に阻害し強力に胃酸分泌を抑える一方、長期使用では骨折・低Mg血症・腸管感染症のリスクが指摘されています。

Q3. OTC販売における胃酸分泌抑制薬の取り扱いとして、正しいものはどれか。

  1. 1ファモチジン配合のガスター10は第1類医薬品で薬剤師の情報提供が必要である。
  2. 2PPIのオメプラゾールは第2類医薬品として登録販売者が販売できる。
  3. 3ファモチジンは第3類医薬品で誰でも自由に陳列・販売できる。
  4. 4H2ブロッカーは医療用のみで一般用医薬品としては販売されていない。
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正解:1. ファモチジン配合のガスター10は第1類医薬品で薬剤師の情報提供が必要である。

ファモチジンを配合するガスター10は第1類医薬品で、薬剤師による情報提供と書面交付が必要です。登録販売者は販売できません。PPIのオメプラゾール等は日本では原則医療用、H2ブロッカーは第1類OTCとして販売されており、第2類・第3類ではありません。

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