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第2章 人体の働き

アドレナリンとノルアドレナリンの違い

アドレナリンとノルアドレナリンはともにカテコールアミンに属するホルモン・神経伝達物質で、構造も作用も似ているため混同されやすい存在です。両者は副腎髄質や交感神経末端から分泌され、α受容体・β受容体に作用しますが、その親和性や生理的役割には違いがあります。登録販売者試験では、心拍・血圧・血管への作用の違いや、メチルエフェドリンなどのアドレナリン作動成分との関連、糖尿病・高血圧患者への注意事項として問われます。

比較表で見る違い

観点アドレナリンノルアドレナリン
主な分泌・放出場所副腎髄質(約8割)交感神経末端・副腎髄質(約2割)
α受容体への作用強い非常に強い
β1受容体(心臓)強く作用(心拍数・収縮力↑)中等度に作用
β2受容体(気管支・血管)強く作用(気管支拡張)弱い
心拍数増加反射性に減少することがある
血圧収縮期血圧上昇が中心収縮期・拡張期ともに強く上昇
末梢血管部位により拡張/収縮主に強く収縮
関連医薬品メチルエフェドリン等のアドレナリン作動成分昇圧薬として医療用で使用

それぞれの詳しい解説

Aアドレナリン

アドレナリン(エピネフリン)は副腎髄質から分泌されるカテコールアミンで、α受容体とβ受容体の両方に強く作用します。心臓のβ1受容体を刺激して心拍数と心収縮力を増大させ、気管支のβ2受容体を刺激して気管支を拡張させるため、急性のアレルギー反応や気管支喘息の重症発作にも用いられます。一般用医薬品ではメチルエフェドリン塩酸塩などのアドレナリン作動成分が、鼻づまりや咳止めとして配合されています。心臓病・高血圧・糖尿病・甲状腺機能亢進症の人では使用に注意が必要です。

  • 副腎髄質から主に分泌

  • α・β受容体の両方に強く作用

  • 心拍↑・気管支拡張・血糖↑

  • アナフィラキシー時の救命薬

  • メチルエフェドリン等の類似成分が一般用に配合

Bノルアドレナリン

ノルアドレナリン(ノルエピネフリン)は主に交感神経末端から放出される神経伝達物質で、副腎髄質からも一部分泌されます。α受容体への親和性が高く、末梢血管を強く収縮させて血圧を上昇させる作用が中心です。β1受容体にもある程度作用しますが、β2受容体への作用は弱いため気管支拡張作用は限定的です。臨床ではショック時の昇圧薬として医療用で使用されますが、一般用医薬品としては配合されません。血圧上昇に伴い反射性に心拍数が減少することがある点もアドレナリンとの大きな違いです。

  • 交感神経末端から放出される伝達物質

  • α受容体への作用が中心

  • 末梢血管収縮による強い昇圧作用

  • β2作用は弱く気管支拡張作用は限定的

  • 反射性徐脈を起こすことがある

試験対策のポイント

「アドレナリンはα・β全部に作用する万能型、ノルアドレナリンはα中心の昇圧型」と覚え、気管支拡張作用はβ2を強く刺激するアドレナリン側にあると関連づけましょう。

理解度チェック(3問)

Q1. アドレナリンとノルアドレナリンに関する記述として正しいものはどれか。

  1. 1ノルアドレナリンはβ2受容体を強く刺激し気管支を拡張する
  2. 2アドレナリンは副腎髄質からほとんど分泌されない
  3. 3ノルアドレナリンは交感神経末端から放出される
  4. 4アドレナリンの作用は副交感神経の興奮と類似する
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正解:3. ノルアドレナリンは交感神経末端から放出される

ノルアドレナリンは主に交感神経の節後線維末端から放出される神経伝達物質です。アドレナリンは副腎髄質から多く分泌されホルモンとして全身に作用します。両者ともに交感神経興奮様の作用を示します。

Q2. 一般用医薬品に配合されるメチルエフェドリン塩酸塩の作用として正しいものはどれか。

  1. 1副交感神経興奮様の作用を示す
  2. 2アドレナリン作動成分として気管支を拡張させる
  3. 3ヒスタミン受容体を遮断する
  4. 4中枢神経を抑制し眠気を起こす
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正解:2. アドレナリン作動成分として気管支を拡張させる

メチルエフェドリン塩酸塩はアドレナリン作動成分で、β2受容体を刺激して気管支を拡張させ咳や喘鳴を緩和します。心臓病・高血圧・糖尿病・甲状腺機能亢進症の人は使用前に医師等に相談が必要です。

Q3. アドレナリン作動成分の使用にあたり、特に注意が必要な疾患として誤っているものはどれか。

  1. 1高血圧症
  2. 2甲状腺機能亢進症
  3. 3糖尿病
  4. 4緑内障のうち閉塞隅角緑内障に限らず全種類で禁忌
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正解:4. 緑内障のうち閉塞隅角緑内障に限らず全種類で禁忌

アドレナリン作動成分は心臓病・高血圧・糖尿病・甲状腺機能亢進症で注意が必要ですが、緑内障については主に抗コリン成分が問題となります。瞳孔散大による眼圧上昇は閉塞隅角緑内障で特に問題です。

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