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第2章 人体の働き

動脈と静脈の違い

循環器系の章で頻出する動脈と静脈は、構造と役割が大きく異なります。「動脈には酸素が多く、静脈には酸素が少ない」と単純に覚えると、肺動脈・肺静脈で逆になる例外で混乱します。登録販売者試験では血管壁の厚さや弁の有無、関連する疾患(動脈硬化、静脈瘤、深部静脈血栓症など)も問われるため、構造と機能の違いを体系的に整理しておくことが重要です。

比較表で見る違い

観点動脈静脈
血流方向心臓から全身へ送り出す全身から心臓へ戻す
血圧高い(拍動を伴う)低い(拍動はほぼない)
血管壁厚く弾力性に富む薄く伸展性に富む
弁の有無なし(基部の半月弁を除く)あり(逆流防止弁)
酸素含有量多い(肺動脈は例外で低酸素)少ない(肺静脈は例外で高酸素)
走行体の深部を走る皮膚に近い部分も走る
関連する病態動脈硬化、高血圧症静脈瘤、深部静脈血栓症

それぞれの詳しい解説

A動脈

動脈は心臓のポンプ作用によって送り出された血液を全身に運ぶ血管です。心臓から押し出される高い圧力に耐えるため、血管壁は厚く三層構造で弾力性に富み、拍動を生み出します。基本的には酸素を多く含む鮮紅色の血液が流れますが、肺動脈だけは例外で右心室から肺へ向かう低酸素の静脈血が流れます。加齢や生活習慣により血管壁が硬く狭くなる動脈硬化は、心筋梗塞や脳梗塞の重要な危険因子であり、登録販売者試験でも生活習慣病との関連で問われます。

  • 心臓から全身へ血液を送る

  • 血管壁が厚く弾力性に富む

  • 拍動があり脈として触れる

  • 通常は酸素を多く含む(肺動脈は例外)

  • 動脈硬化により心血管疾患のリスク増大

B静脈

静脈は全身から心臓へ血液を戻す血管で、動脈に比べて血圧が低く血管壁も薄いのが特徴です。重力に逆らって血液を心臓へ送り返すため、四肢の静脈には逆流を防ぐ弁が多数存在し、骨格筋の収縮(筋ポンプ)の助けを借りて還流します。基本的には二酸化炭素を多く含む暗赤色の血液が流れますが、肺静脈は肺で酸素化された動脈血を左心房へ運ぶ例外です。長時間の立ち仕事などで弁の機能が低下すると静脈瘤を生じ、下肢の血液が停滞すると深部静脈血栓症のリスクが高まります。

  • 全身から心臓へ血液を戻す

  • 血管壁は薄く拍動はほとんどない

  • 逆流防止のための弁を持つ

  • 通常は酸素が少ない(肺静脈は例外)

  • 静脈瘤や深部静脈血栓症と関連

試験対策のポイント

「動脈は心臓から出ていく・厚く弾力・弁なし」「静脈は心臓へ戻る・薄く伸びる・弁あり」と覚え、酸素濃度は肺動脈・肺静脈で逆転する例外をセットで暗記しましょう。

理解度チェック(3問)

Q1. 動脈と静脈の構造に関する記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 1動脈は静脈に比べて血管壁が薄い
  2. 2静脈には逆流防止のための弁がある
  3. 3動脈には弁が多数存在する
  4. 4静脈は動脈に比べて血圧が高い
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正解:2. 静脈には逆流防止のための弁がある

静脈は重力に逆らって血液を心臓に戻すため、四肢を中心に逆流防止弁を多数持ちます。動脈は心臓から押し出される高圧に耐えるため壁が厚く、弁は基本的にありません。

Q2. 次のうち、低酸素の血液(静脈血)が流れている血管はどれか。

  1. 1肺静脈
  2. 2大動脈
  3. 3肺動脈
  4. 4冠動脈
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正解:3. 肺動脈

肺動脈は右心室から肺へ向かう血液が流れており、ガス交換前なので酸素が少なく二酸化炭素が多い静脈血です。逆に肺静脈は肺から左心房へ酸素化された動脈血を運ぶ例外的な静脈です。

Q3. 動脈と静脈に関する記述として誤っているものはどれか。

  1. 1動脈硬化は心筋梗塞のリスク因子となる
  2. 2静脈瘤は下肢の表在静脈に生じやすい
  3. 3動脈は通常、皮膚に近い表層を走行する
  4. 4静脈は動脈に比べて拍動を触れにくい
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正解:3. 動脈は通常、皮膚に近い表層を走行する

動脈は損傷を避けるため一般に体の深部を走行します。一方、静脈には皮静脈と呼ばれる体表近くを走るものが多く、採血や点滴で利用されます。動脈硬化や静脈瘤の特徴も合わせて押さえましょう。

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