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第2章 人体の働き

交感神経と副交感神経の違い

自律神経系は交感神経と副交感神経からなり、ほぼ全ての臓器に対して互いに拮抗する作用を及ぼします。登録販売者試験では「交感神経が優位だと瞳孔は散大する」「副交感神経の伝達物質はアセチルコリン」など、神経伝達物質と各臓器への作用を組み合わせて問われます。混同しやすい両者の働きを整理し、抗コリン薬・アドレナリン作動薬など関連する成分の理解にもつなげましょう。

比較表で見る違い

観点交感神経副交感神経
神経伝達物質ノルアドレナリン(一部例外あり)アセチルコリン
優位になる場面緊張・闘争・運動時休息・リラックス・食後
心拍数増加(亢進)減少(抑制)
瞳孔散大収縮
気管支拡張収縮
胃腸の運動抑制亢進(消化促進)
唾液腺少量で粘性の高い唾液多量でさらさらの唾液
排尿(膀胱)排尿筋弛緩・括約筋収縮で蓄尿排尿筋収縮・括約筋弛緩で排尿

それぞれの詳しい解説

A交感神経

交感神経はストレス・運動・興奮など緊張状態のときに優位となり、体を「闘争か逃走か」の状態に整える神経です。節後線維の末端からノルアドレナリンが放出され、心拍数や血圧の上昇、瞳孔の散大、気管支の拡張、皮膚血管の収縮などを引き起こします。一方で消化器系の働きは抑制され、唾液は少なく粘性が高くなります。登録販売者が扱うアドレナリン作動成分(メチルエフェドリン等)は交感神経興奮様の作用を示します。

  • 伝達物質はノルアドレナリン(汗腺はアセチルコリン)

  • 心拍増加・血圧上昇・気管支拡張

  • 瞳孔は散大、目はよく見開く

  • 消化管運動・分泌は抑制

  • アドレナリン作動成分が同様の作用を示す

B副交感神経

副交感神経は休息や食事など安静時に優位となり、エネルギーの蓄積と消化吸収を促進する神経です。節後線維の末端からアセチルコリンが放出され、心拍数を下げ、瞳孔を縮め、気管支を収縮させ、消化管の運動と分泌を活発にします。排尿時には膀胱の排尿筋を収縮させて尿を排出します。抗コリン成分(ロートエキス、スコポラミン等)は副交感神経の働きを抑制し、胃腸の痙攣抑制や乗り物酔い防止に用いられます。

  • 伝達物質はアセチルコリン

  • 心拍減少・気管支収縮・瞳孔収縮

  • 消化液分泌・胃腸運動を促進

  • 排尿を促す(排尿筋収縮)

  • 抗コリン成分でその作用を抑える

試験対策のポイント

「交感は戦闘モード(瞳孔散大・心拍↑・消化↓)、副交感は休息モード(瞳孔収縮・心拍↓・消化↑)」と覚え、伝達物質はノル=交感、アセチル=副交感とセットで暗記しましょう。

理解度チェック(3問)

Q1. 交感神経が優位となったときに起こる反応として正しいものはどれか。

  1. 1瞳孔の収縮
  2. 2気管支の拡張
  3. 3胃腸運動の亢進
  4. 4唾液の多量分泌
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正解:2. 気管支の拡張

交感神経優位では気管支が拡張し空気の取り込みが増加します。瞳孔は散大し、胃腸運動は抑制、唾液は少量で粘性の高いものになります。緊張時に口が渇くのはこのためです。

Q2. 副交感神経の節後線維の末端から放出される神経伝達物質はどれか。

  1. 1ノルアドレナリン
  2. 2アドレナリン
  3. 3アセチルコリン
  4. 4ドパミン
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正解:3. アセチルコリン

副交感神経の伝達物質はアセチルコリンです。交感神経はノルアドレナリンが基本ですが、汗腺を支配する交感神経のみ例外的にアセチルコリンを放出することも押さえておきましょう。

Q3. 交感神経と副交感神経の作用について誤っているものはどれか。

  1. 1交感神経優位で心拍数は増加する
  2. 2副交感神経優位で気管支は収縮する
  3. 3交感神経優位で瞳孔は散大する
  4. 4副交感神経優位で排尿筋は弛緩する
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正解:4. 副交感神経優位で排尿筋は弛緩する

副交感神経優位では排尿筋は収縮し、括約筋は弛緩することで排尿が促進されます。蓄尿(排尿筋弛緩・括約筋収縮)は交感神経の働きであり、混同しやすいので注意が必要です。

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