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第3章 主な医薬品

脂溶性ビタミンと水溶性ビタミンの違い

ビタミン主薬製剤は登録販売者試験第3章の重要分野で、脂溶性と水溶性の性質の違いを理解することが基本です。脂溶性ビタミンは脂肪組織や肝臓に蓄積し過剰症を起こしやすい一方、水溶性ビタミンは余剰分が尿中に排泄されるため過剰症が比較的少ないとされます。ただし水溶性でも長期大量摂取では問題が起こり得ます。妊婦のビタミンA過剰摂取による胎児奇形リスクは特に頻出論点です。

比較表で見る違い

観点脂溶性ビタミン(A・D・E・K)水溶性ビタミン(B群・C)
代表的なビタミンビタミンA、D、E、KビタミンB1・B2・B6・B12、葉酸、ナイアシン、ビタミンC
溶解性脂質に溶けやすく、水に溶けにくい水に溶けやすく、脂質には溶けにくい
吸収脂質と一緒に小腸で吸収されリンパ管経由で運ばれる小腸で吸収され門脈経由で肝臓へ運ばれる
体内での蓄積肝臓・脂肪組織に蓄積しやすい蓄積されにくく、余剰分は尿中に排泄される
過剰症のリスク高用量で過剰症(特にA・D)比較的少ないが、長期大量で問題(B6神経障害等)
主な作用A:視覚・皮膚、D:カルシウム代謝、E:抗酸化、K:血液凝固B群:エネルギー代謝・神経機能、C:抗酸化・コラーゲン合成
妊婦への注意ビタミンA過剰摂取で胎児奇形のリスク(妊娠3か月前〜3か月で注意)葉酸は胎児神経管閉鎖障害予防のため積極的摂取が推奨
OTC配合例滋養強壮薬、目薬、皮膚薬、骨粗鬆症予防薬滋養強壮ドリンク、口内炎・皮膚炎用ビタミン剤

それぞれの詳しい解説

A脂溶性ビタミン(A・D・E・K)

脂溶性ビタミンは脂質と共に小腸で吸収されリンパ管経由で運ばれ、肝臓や脂肪組織に蓄積します。ビタミンAは視覚・皮膚・粘膜の維持、ビタミンDはカルシウム・リンの代謝、ビタミンEは抗酸化作用、ビタミンKは血液凝固因子(プロトロンビン等)の合成に関与します。蓄積性のため過剰症リスクが高く、特に妊婦のビタミンA過剰摂取(妊娠3か月前から3か月までに1日10,000IU以上)は胎児奇形のリスクが指摘され、登録販売者として注意喚起が必要です。

  • A:夜盲症予防・皮膚粘膜の維持

  • D:腸管からのカルシウム吸収促進・骨形成

  • E:抗酸化作用・血行促進

  • K:血液凝固因子合成(ワルファリンと拮抗)

  • 蓄積性があり過剰症リスク(特にA・D)

  • 妊婦のA過剰摂取は胎児奇形リスク

B水溶性ビタミン(B群・C)

水溶性ビタミンは小腸から吸収されて門脈経由で運ばれ、必要量を超えた分は尿中に排泄されるため蓄積しにくく過剰症は比較的少ないとされます。B群はエネルギー代謝や神経機能、C は抗酸化作用・コラーゲン合成・鉄の吸収促進に関与します。ただし長期大量のビタミンB6摂取で末梢神経障害が起こることがあり、葉酸は妊娠初期の神経管閉鎖障害予防のため厚生労働省が積極的摂取を推奨しています。

  • B1:糖代謝・神経機能(脚気予防)

  • B2:皮膚・粘膜の健康維持

  • B6:アミノ酸代謝、長期大量で末梢神経障害

  • B12・葉酸:造血作用

  • C:抗酸化、コラーゲン合成、鉄吸収促進

  • 過剰分は尿中排泄、蓄積性は少ない

試験対策のポイント

「脂溶性=DAKE(ダケ:D・A・K・E)は溜まる、過剰症あり」「水溶性=B群とCは尿で出る、過剰症少ない」と覚え、妊婦のビタミンA過剰と葉酸推奨は別格として記憶しましょう。

理解度チェック(3問)

Q1. ビタミンAに関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. 1水溶性ビタミンであり、過剰摂取しても速やかに排泄される。
  2. 2妊娠初期の過剰摂取は胎児に先天異常を引き起こすおそれがある。
  3. 3主な作用は血液凝固因子の合成促進である。
  4. 4欠乏すると壊血病を引き起こす。
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正解:2. 妊娠初期の過剰摂取は胎児に先天異常を引き起こすおそれがある。

ビタミンAは脂溶性で肝臓に蓄積し、妊娠3か月前から妊娠3か月までの間に1日10,000IU以上の過剰摂取で胎児に先天異常(奇形)を起こすおそれがあります。血液凝固因子の合成はビタミンKの作用、壊血病はビタミンC欠乏で生じます。

Q2. ビタミンKの主な作用として、最も適切なものはどれか。

  1. 1腸管からのカルシウム吸収を促進する。
  2. 2抗酸化作用により細胞膜の酸化を防ぐ。
  3. 3血液凝固因子の合成に関与する。
  4. 4コラーゲンの合成を促進する。
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正解:3. 血液凝固因子の合成に関与する。

ビタミンKは肝臓でプロトロンビンなどの血液凝固因子の合成に必須のビタミンで、欠乏すると出血傾向を生じます。カルシウム吸収促進はビタミンD、抗酸化はビタミンE、コラーゲン合成促進はビタミンCの主作用です。ワルファリン服用中はビタミンK摂取に注意します。

Q3. 水溶性ビタミンに関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. 1ビタミンB6を長期にわたり大量摂取すると末梢神経障害を起こすおそれがある。
  2. 2ビタミンB群はすべて肝臓に蓄積され、過剰症のリスクが高い。
  3. 3葉酸は妊婦に対して摂取制限が強く勧められている。
  4. 4ビタミンCの欠乏で夜盲症が起こる。
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正解:1. ビタミンB6を長期にわたり大量摂取すると末梢神経障害を起こすおそれがある。

水溶性でも長期大量摂取は問題となり、ビタミンB6では末梢神経障害が報告されています。B群は基本的に蓄積性が低く尿中排泄が中心、葉酸は妊娠初期の神経管閉鎖障害予防のため積極的摂取が推奨されており制限ではありません。夜盲症はビタミンA欠乏が原因です。

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