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第4章 法規・制度

医薬品・医薬部外品・化粧品の違い

薬機法では人体に作用するもののうち、目的とリスクの程度に応じて医薬品・医薬部外品・化粧品の3カテゴリを定めています。医薬品は疾病の診断・治療・予防を目的とし、効能効果を明示でき、製造販売には品目ごとの承認が必要です。医薬部外品は人体への作用が緩和なもので、防止・衛生目的の限定的な効能効果が認められ、薬用化粧品・制汗剤・薬用歯磨き等が該当します。化粧品は人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、皮膚・毛髪を健やかに保つことを目的とし、医薬品的な効能効果は標榜できません。

比較表で見る違い

観点医薬品医薬部外品化粧品
主な目的疾病の診断・治療・予防防止・衛生目的(緩和な作用)清潔・美化・容貌変化・皮膚や毛髪の健やか保持
人体への作用作用が比較的強い(リスク評価が必要)作用が緩和なもの作用が緩和なもの
効能効果の表示承認された効能効果を表示できる法定の限定的な効能効果のみ表示可医薬品的な効能効果は標榜不可(化粧品の効能の範囲)
製造販売の規制品目ごとの承認+許可(個別承認制)品目ごとの承認+許可(医薬品より緩やか)製造販売業の許可+届出(個別承認は原則不要)
販売規制区分に応じ薬剤師・登録販売者等の関与が必要販売規制は緩やか(一般小売店でも販売可)販売規制は緩やか(一般小売店でも販売可)
代表例解熱鎮痛薬、かぜ薬、胃腸薬、外皮用薬等薬用石鹸、制汗剤、育毛剤、薬用歯磨き、口中清涼剤、薬用化粧品スキンケア化粧品、メイクアップ化粧品、シャンプー(薬用以外)等
副作用報告制度副作用・感染症報告の対象(厳格)一定の安全対策の対象安全対策の対象(適宜の対応)

それぞれの詳しい解説

A医薬品

薬機法上の医薬品とは、日本薬局方に収められているもの、人または動物の疾病の診断・治療・予防に使用されることが目的とされているもの、人または動物の身体の構造や機能に影響を及ぼすことが目的とされているもの(機械器具等を除く)を指します。医療用医薬品と一般用医薬品(要指導医薬品を含む)に大別され、製造販売には厚生労働大臣の品目ごとの承認が必要です。承認された効能効果や用法用量を表示でき、副作用等の報告制度の対象となるなど、最も厳格な規制が課されます。

  • 疾病の診断・治療・予防または身体の構造・機能への作用が目的

  • 医療用・要指導・一般用に区分される

  • 品目ごとの承認+製造販売業の許可が必要

  • 効能効果・用法用量を表示できる

  • 副作用等報告制度の対象

B医薬部外品

医薬部外品は、人体に対する作用が緩和なものであって、吐きけその他の不快感または口臭・体臭の防止、あせも・ただれ等の防止、脱毛の防止・育毛・除毛、人または動物の保健のためにするねずみ・はえ等の防除等を目的として使用されるものです。具体例として薬用石鹸、制汗剤、育毛剤、薬用歯磨き、口中清涼剤、薬用化粧品(医薬部外品扱いのもの)等があります。製造販売には品目ごとの承認が必要ですが、医薬品より要件が緩やかで、一般小売店でも販売できます。

  • 人体への作用が緩和な防止・衛生目的

  • 法定の限定的な効能効果のみ表示可

  • 品目ごとの承認+製造販売業の許可が必要

  • 一般小売店でも販売可(販売規制は緩やか)

  • 代表例:薬用石鹸、制汗剤、育毛剤、薬用歯磨き、口中清涼剤

C化粧品

化粧品とは、人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、または皮膚もしくは毛髪を健やかに保つために、身体に塗擦・散布等の方法で使用されることが目的とされている物で、人体への作用が緩和なものです。医薬品的な効能効果(疾病の治療・予防等)の標榜は禁止されており、化粧品の効能の範囲(56項目)内での表現に限られます。製造販売業の許可と品目の届出が必要ですが、原則として個別の品目承認は不要で、一般小売店でも自由に販売できます。

  • 清潔・美化・容貌変化・皮膚や毛髪の健やか保持が目的

  • 人体への作用は緩和

  • 医薬品的な効能効果の標榜は不可

  • 原則として品目ごとの承認は不要(届出制)

  • 一般小売店でも販売可

試験対策のポイント

「医薬品=治療目的・承認制」「医薬部外品=防止・衛生で緩和(薬用◯◯)」「化粧品=美化・清潔で医薬品的標榜不可」の3軸で覚える。具体例(薬用石鹸・制汗剤・育毛剤・薬用歯磨き)が出題頻出です。

理解度チェック(3問)

Q1. 医薬部外品に関する記述として正しいものはどれか。

  1. 1人体への作用が著しく強いものを指す
  2. 2疾病の治療を主目的とする
  3. 3人体への作用が緩和なもので、薬用石鹸や制汗剤、育毛剤等が該当する
  4. 4個別の品目承認は不要で、届出のみで製造販売できる
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正解:3. 人体への作用が緩和なもので、薬用石鹸や制汗剤、育毛剤等が該当する

医薬部外品は人体への作用が緩和な防止・衛生目的の製品で、薬用石鹸・制汗剤・育毛剤・薬用歯磨き等が該当します。品目ごとの承認は必要ですが医薬品より緩やかで、一般小売店でも販売できます。

Q2. 化粧品の効能効果の表示に関する記述として正しいものはどれか。

  1. 1医薬品と同様に疾病の治療効果を表示できる
  2. 2化粧品の効能の範囲(56項目)を超える医薬品的な効能効果は標榜できない
  3. 3効能効果は一切表示できない
  4. 4医薬部外品の効能効果と同じ範囲を表示できる
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正解:2. 化粧品の効能の範囲(56項目)を超える医薬品的な効能効果は標榜できない

化粧品は人の身体を清潔・美化等する目的に限られ、医薬品的な効能効果(疾病の治療・予防等)の標榜は禁止されています。化粧品の効能の範囲(56項目)内での表現にとどまります。

Q3. 医薬品・医薬部外品・化粧品の販売規制について正しい記述はどれか。

  1. 1化粧品の販売には薬剤師の配置が必要である
  2. 2医薬部外品の販売には登録販売者の配置が必要である
  3. 3一般用医薬品の販売は区分に応じ薬剤師または登録販売者の関与が必要である
  4. 4医薬部外品は薬局でしか販売できない
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正解:3. 一般用医薬品の販売は区分に応じ薬剤師または登録販売者の関与が必要である

一般用医薬品は区分(第一類は薬剤師のみ、第二類・第三類は薬剤師または登録販売者)に応じた専門家の関与が必要です。医薬部外品と化粧品は販売規制が緩やかで、一般小売店でも販売できます。

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