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第3章 主な医薬品

センノシドとマグネシウム系下剤の違い

便秘薬は登録販売者試験第3章で必ず問われる重要分野です。なかでも大腸刺激性下剤の代表であるセンノシド(センナ由来のアントラキノン系)と、浸透圧性下剤の代表である酸化マグネシウムは作用機序がまったく異なり、適する患者像も大きく違います。妊婦への対応、連用による耐性、腎機能低下時のリスクなど、出題ポイントを順序立てて確認しましょう。

比較表で見る違い

観点センノシド(大腸刺激性下剤)酸化マグネシウム(浸透圧性下剤)
分類大腸刺激性下剤(アントラキノン系)浸透圧性下剤(塩類下剤)
作用機序腸内細菌でレインアンスロンに変換され、大腸を直接刺激し蠕動運動を促進腸管内の浸透圧を高めて水分を引き寄せ、便を軟化・増量させて排便を促す
効果発現時間服用後8〜10時間(就寝前服用が一般的)服用後数時間〜半日程度(比較的緩やか)
連用での問題耐性が生じやすく、習慣性・依存性のリスクがある耐性は生じにくいが、長期連用で高マグネシウム血症のリスク
妊婦への対応子宮収縮を誘発し流早産の懸念があるため、原則使用を避ける比較的安全とされるが、自己判断での連用は避け医師相談が望ましい
高齢者・腎機能低下時電解質異常に注意するが腎機能の影響は比較的少ない腎機能低下例で高マグネシウム血症(嘔吐・徐脈・意識障害)のリスクが高まる
代表成分・生薬センノシド、センナ、ダイオウ(大黄)、アロエ酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム
授乳婦への注意センノシドが乳汁に移行し乳児が下痢を起こすおそれ通常量では乳汁移行による影響は少ないとされる

それぞれの詳しい解説

Aセンノシド(大腸刺激性下剤)

センノシドはセンナの葉や実、ダイオウなどに含まれるアントラキノン配糖体で、小腸では吸収されず大腸で腸内細菌により分解されてレインアンスロンとなり大腸粘膜を直接刺激します。効果は強力ですが、連用により大腸メラノーシスや習慣性が生じやすく、漫然と使用すべきでない代表的な下剤です。妊婦では子宮収縮誘発による流早産の懸念から原則使用を避け、授乳婦では乳児の下痢に注意します。

  • アントラキノン系生薬(センナ、ダイオウ)に含まれる

  • 効果発現は8〜10時間(就寝前服用で翌朝排便)

  • 連用で耐性・習慣性、大腸メラノーシスのリスク

  • 妊婦は子宮収縮の懸念で原則避ける

  • 授乳婦では乳汁移行により乳児が下痢を起こすおそれ

  • 頓用が原則で漫然とした連用は避ける

B酸化マグネシウム(浸透圧性下剤)

酸化マグネシウムは胃酸と反応して塩化マグネシウムとなり、さらに腸管内で炭酸水素塩に変化して浸透圧によって水分を腸管内に引き寄せ便を軟化させます。作用は比較的穏やかで習慣性も少なく、第一選択薬として広く用いられますが、腎機能が低下している高齢者では尿中排泄が遅れて高マグネシウム血症(嘔吐・徐脈・血圧低下・意識障害)を起こすことがあり、定期的な血中マグネシウム値の確認が推奨されます。

  • 塩類下剤で浸透圧により便を軟化・増量

  • 習慣性・耐性が生じにくく長期使用しやすい

  • 妊婦にも比較的安全とされる

  • 腎機能低下例で高マグネシウム血症のリスク

  • 制酸剤としての作用も併せ持つ

  • テトラサイクリン系・ニューキノロン系抗菌薬と併用で吸収低下

試験対策のポイント

センノシドは「センナ刺激で習慣性、妊婦は避ける」、酸化マグネシウムは「水を引いて穏やか、腎臓弱いと高Mg血症」とセットで覚えるのが効率的です。

理解度チェック(3問)

Q1. センノシドに関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. 1小腸で直接吸収され、小腸の蠕動運動を促進する。
  2. 2腸内細菌により分解されたレインアンスロンが大腸を刺激する。
  3. 3浸透圧によって便を軟化させる作用が主体である。
  4. 4妊婦に対して安全性が高く、便秘の第一選択薬とされる。
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正解:2. 腸内細菌により分解されたレインアンスロンが大腸を刺激する。

センノシドは小腸では吸収されずそのまま大腸に到達し、腸内細菌の働きでレインアンスロンに分解され大腸粘膜を直接刺激します。妊婦では子宮収縮誘発のおそれから原則使用を避け、第一選択薬とは位置付けられません。浸透圧作用は塩類下剤の特徴です。

Q2. 酸化マグネシウムの使用上の注意として、最も適切なものはどれか。

  1. 1腎機能が低下した高齢者では高マグネシウム血症に注意が必要である。
  2. 2連用により強い習慣性が生じるため頓用に限定する。
  3. 3妊婦には子宮収縮を起こすため禁忌である。
  4. 4小児には吸収が亢進するため使用してはならない。
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正解:1. 腎機能が低下した高齢者では高マグネシウム血症に注意が必要である。

酸化マグネシウムは腎排泄であり、腎機能低下例ではマグネシウムが体内に蓄積し高マグネシウム血症(嘔吐・徐脈・血圧低下・意識障害)を起こすおそれがあります。習慣性は少なく、妊婦にも比較的安全とされ、子宮収縮を起こす作用は知られていません。

Q3. 下剤の作用機序と分類の組合せとして、誤っているものはどれか。

  1. 1センノシド ── 大腸刺激性
  2. 2ダイオウ ── 大腸刺激性
  3. 3酸化マグネシウム ── 浸透圧性
  4. 4ヒマシ油 ── 浸透圧性
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正解:4. ヒマシ油 ── 浸透圧性

ヒマシ油は小腸でリパーゼによりリシノール酸となって小腸を刺激する小腸刺激性下剤であり、浸透圧性ではありません。センノシド、ダイオウ(センノシドを含むアントラキノン系生薬)は大腸刺激性、酸化マグネシウムは浸透圧性(塩類下剤)に分類されます。

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