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倫理・行動規範難易度: 難

中小企業M&A実務能力・倫理検定試験 予想問題|倫理・行動規範 第60問

問題

M&A仲介会社A社は、譲り渡し側S社と仲介契約を結んでいる。譲り受け候補として、これまでに何度もA社に案件を依頼しているR社と、初めての取引となるT社が名乗りを上げた。T社のほうが譲渡額が高く、S社が重視する従業員の雇用継続にも前向きであるが、A社の担当者は今後の取引を考え、S社に「T社は本気度が低い」と根拠なく伝えてR社との交渉を進めるよう勧めた。中小M&Aガイドライン(第3版)に照らし、最も適切なものはどれか。

選択肢

  1. 1リピーターとなる依頼者を優遇し、当事者のニーズに反したマッチングの優先的実施や不当に低額な譲渡価額への誘導を行うことは仲介者が行ってはならない行為であり、A社の対応は不適切である。
  2. 2R社との継続的な取引関係を維持することはA社の事業上の正当な利益であるため、問題はない。
  3. 3R社の提示額が相場の範囲内であれば、S社の希望に反していても問題はない。
  4. 4仲介契約書に禁止行為の定めがなければ契約違反とはならず、継続的な取引関係の維持も仲介者の正当な利益であるため、A社がリピーターのR社を優先し、T社の評価を伝えて交渉を勧めても問題はない。

正解

1. リピーターとなる依頼者を優遇し、当事者のニーズに反したマッチングの優先的実施や不当に低額な譲渡価額への誘導を行うことは仲介者が行ってはならない行為であり、A社の対応は不適切である。

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解説

ガイドライン第2章Ⅱ5は、仲介者は両当事者から依頼を受ける以上、両当事者に対して中立・公平でなければならず、不当に一方当事者の利益又は不利益となるような利益相反行為を行ってはならないとし、少なくとも、リピーターとなる依頼者を優遇し、当該依頼者に便宜を図る行為(当事者のニーズに反したマッチングの優先的実施又は不当に低額な譲渡価額への誘導等)などを行ってはならず、仲介契約書においてこれらの行為を行わない旨を仲介者の義務として定めなければならないとしている。仲介者が特にリピーターになり得る譲り受け側の利益を優先する動機があるという構造的な利益相反のリスクも指摘している。根拠なくT社を低く評価して伝えることは、公正、誠実に業務を遂行するという基本原則にも反する。

一問一答

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