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区分所有法等

軽微変更と重大変更の違い

共用部分の変更には、形状・効用の著しい変更を伴わない「軽微変更」と、著しい変更を伴う「重大変更」があります。どちらに当たるかで必要な決議が普通決議(出席者の過半数)か特別決議(定足数付きで出席者の4分の3)かに分かれるため、両者の線引きが試験で頻繁に問われます。

比較表で見る違い

観点軽微変更重大変更
定義その形状または効用の著しい変更を伴わない変更その形状または効用の著しい変更を伴う変更
必要な決議出席した区分所有者及びその議決権の各過半数(普通決議)定足数(区分所有者及び議決権の各過半数の出席)を満たし、出席者の各4分の3以上(特別決議)
定数の加減規約による別段の定めが可能4分の3の割合は区分所有者・議決権とも規約で2分の1超まで減じうる(定足数は引上げのみ可)
具体例計画修繕、手すりの設置、外壁の塗替えなど集会室の用途変更、エレベーターの新設、階段の撤去など
判断基準原状回復・維持保全の範囲にとどまる形状や効用を大きく変え、費用も多額になりがち

それぞれの詳しい解説

A軽微変更

共用部分の変更のうち、その形状または効用の著しい変更を伴わないものです(区分所有法17条1項かっこ書き)。計画修繕、外壁の塗替え、手すりの設置といった維持保全的な行為が典型で、出席した区分所有者及びその議決権の各過半数の普通決議で実施できます。

  • 形状・効用の「著しい変更」を伴わない変更

  • 計画修繕や原状回復的な工事が中心

  • 各過半数の普通決議で足りる(規約で別段の定めも可)

B重大変更

共用部分の形状または効用の著しい変更を伴う変更です。エレベーターの新設や集会室の用途変更など、共用部分の性質を大きく変える行為が該当し、区分所有者及び議決権の各過半数の出席(定足数)のもと、出席した区分所有者及びその議決権の各4分の3以上の特別決議が必要です(区分所有法17条1項)。この4分の3の割合は、区分所有者・議決権とも規約で2分の1を超える割合まで減じることができます(2026年4月施行の改正。瑕疵の除去やバリアフリー化のための変更は同条5項で3分の2)。

  • 形状・効用の「著しい変更」を伴う変更

  • 定足数付きで出席者の各4分の3以上の特別決議が必要

  • 4分の3の割合は区分所有者・議決権とも規約で2分の1超まで減じうる(17条1項)

試験対策のポイント

「著しい変更なし=軽微変更=過半数」「著しい変更あり=重大変更=4分の3以上」。維持保全レベルか性質を大きく変えるかで決議割合が変わると覚える。

理解度チェック(3問)

Q1. 共用部分の重大変更(形状・効用の著しい変更を伴う変更)に必要な決議要件として正しいものはどれか。

  1. 1出席した区分所有者及びその議決権の各過半数
  2. 2定足数を満たした集会で、出席した区分所有者及びその議決権の各4分の3以上
  3. 3区分所有者及び議決権の各5分の4以上
  4. 4区分所有者全員の同意
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正解:2. 定足数を満たした集会で、出席した区分所有者及びその議決権の各4分の3以上

共用部分の形状または効用の著しい変更を伴う重大変更は、区分所有者及び議決権の各過半数の出席(定足数)のもと、出席者の各4分の3以上の特別決議が必要です(区分所有法17条1項)。過半数は軽微変更の要件、5分の4以上は建替え決議の要件です。なお重大変更の4分の3の割合は、区分所有者・議決権とも規約で2分の1を超える割合まで減じることができます(同項括弧書)。

Q2. 次のうち、原則として共用部分の軽微変更にあたり、普通決議で行えるものはどれか。

  1. 1エレベーターを新たに設置する工事
  2. 2外壁の計画的な塗替え工事
  3. 3集会室を住戸に用途変更する工事
  4. 4建物の建替え
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正解:2. 外壁の計画的な塗替え工事

外壁の計画的な塗替えは、形状・効用の著しい変更を伴わない軽微変更にあたり、出席した区分所有者及びその議決権の各過半数の普通決議で行えます。エレベーターの新設や集会室の用途変更は形状・効用を著しく変える重大変更で定足数付きの出席者の各4分の3以上が必要であり、建替えは各5分の4以上が必要です。

Q3. 共用部分の変更に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. 1重大変更については、定足数(区分所有者及び議決権の各過半数の出席)を規約で引き下げることができる
  2. 2重大変更については、区分所有者及び議決権の4分の3の割合を規約で2分の1を超える割合まで減じることができる
  3. 3軽微変更には、常に各4分の3以上の賛成が必要である
  4. 4軽微変更と重大変更は、いずれも全員の同意がなければできない
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正解:2. 重大変更については、区分所有者及び議決権の4分の3の割合を規約で2分の1を超える割合まで減じることができる

重大変更の決議要件である出席者の各4分の3以上の割合は、2026年4月施行の改正により、区分所有者・議決権とも規約で2分の1を超える割合まで減じることができます(区分所有法17条1項括弧書)。一方、定足数(区分所有者及び議決権の各過半数の出席)は規約で引き上げることはできても引き下げることはできません。軽微変更は各過半数の普通決議で足り、いずれの変更も全員同意までは要求されません。

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