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区分所有法等

建替え決議と敷地売却決議の違い

老朽化マンションの出口として、建物を壊して新築する「建替え決議」と、土地ごと売却する「敷地売却決議」があります。決議の対象・決議割合・決議で定める事項が異なり、両者の要件の違いが試験で問われます。2026年4月施行の改正で、敷地売却決議は区分所有法の「建物敷地売却決議」となり、耐震性不足等の認定を前提としなくなりました。

比較表で見る違い

観点建替え決議敷地売却決議
根拠法区分所有法62条区分所有法64条の6(2026年4月施行。改正前はマンション建替え円滑化法のマンション敷地売却決議)
決議要件区分所有者及び議決権の各5分の4以上(62条2項の事由があれば各4分の3以上)区分所有者・議決権・敷地利用権の持分の価格の各5分の4以上(62条2項の事由があれば各4分の3以上)
対象建物の前提特段の認定は不要特段の認定は不要(改正前は特定要除却認定が前提)
効果既存建物を取り壊し、新たに建物を建築するマンションと敷地を一括して買受人へ売却する
反対者の扱い売渡し請求により権利を取得できる売渡し請求により権利を取得できる(64条の6第3項で63条を準用)

それぞれの詳しい解説

A建替え決議

既存のマンションを取り壊し、その敷地に新たに建物を建築する決議です。区分所有者(議決権を有しないものを除く)及び議決権の各5分の4以上の多数で成立します(区分所有法62条1項。耐震性不足等の同条2項各号に該当すれば各4分の3以上)。耐震性などの認定は要件ではなく、決議に賛成しなかった者に対しては区分所有権等の売渡し請求ができます。

  • 根拠は区分所有法62条、要件は各5分の4以上(2項の事由で各4分の3以上)

  • 建物の取壊し+新築を一体として決議する

  • 不参加者には売渡し請求で権利を取得できる

B敷地売却決議

敷地利用権が数人で有する所有権その他の権利であるときに、建物とその敷地を一括して売却する決議です(区分所有法64条の6「建物敷地売却決議」)。2026年4月施行の改正で、マンション建替え円滑化法(現マンションの再生等の円滑化に関する法律)が特定要除却認定を受けたマンションに限って定めていたマンション敷地売却決議が区分所有法に移され、認定を要しなくなりました。区分所有者・議決権・敷地利用権の持分の価格の各5分の4以上(62条2項の事由があれば各4分の3以上)で成立し、決議では売却の相手方・代金の見込額・各区分所有者が取得する金銭の算定方法を定め、賛成しなかった者には売渡し請求ができます(同条3項で63条を準用)。

  • 根拠は区分所有法64条の6(2026年4月施行。改正前は円滑化法)

  • 現行法では特定要除却認定などの認定は不要

  • 区分所有者・議決権・敷地利用権持分の価格の各5分の4以上が要件

試験対策のポイント

「建物を壊して建て直す=建替え決議(区分所有法62条・区分所有者及び議決権の5分の4)」「建物と敷地を売る=建物敷地売却決議(区分所有法64条の6・敷地利用権の持分の価格も含めた5分の4)」。2026年4月施行の改正で、敷地売却も認定不要の区分所有法上の決議になった点に注意する。

理解度チェック(3問)

Q1. 建替え決議に必要な賛成数として正しいものはどれか(耐震性の不足など区分所有法62条2項各号の事由がない建物とする)。

  1. 1区分所有者および議決権の各過半数
  2. 2出席した区分所有者およびその議決権の各4分の3以上
  3. 3区分所有者および議決権の各5分の4以上
  4. 4区分所有者全員の同意
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正解:3. 区分所有者および議決権の各5分の4以上

建替え決議は、区分所有者および議決権の各5分の4以上の多数で行います(区分所有法62条1項)。耐震性不足等の同条2項各号に該当する建物では各4分の3以上に緩和されますが、原則は規約変更や共用部分の重大変更(定足数付きで出席者の各4分の3以上)より高い賛成数が求められます。全員同意までは必要なく、反対者には売渡し請求ができる仕組みになっています。

Q2. 敷地売却決議に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. 1敷地売却決議は、区分所有法62条に基づいて行われる
  2. 2建物敷地売却決議は、区分所有者・議決権・敷地利用権の持分の価格の各5分の4以上の多数で成立する
  3. 3敷地売却決議は、区分所有者および議決権の各過半数で成立する
  4. 4敷地売却決議では、建物を取り壊して新たに建物を建築する
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正解:2. 建物敷地売却決議は、区分所有者・議決権・敷地利用権の持分の価格の各5分の4以上の多数で成立する

建物敷地売却決議は、区分所有者・議決権・敷地利用権の持分の価格の各5分の4以上の多数で成立します(区分所有法64条の6第1項。2026年4月施行)。根拠は区分所有法62条ではなく64条の6であり、改正前と異なり特定要除却認定は前提になりません。過半数では成立せず、建物の取壊し+新築を行うのは建替え決議の方です。

Q3. 建替え決議と敷地売却決議に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. 1いずれの決議も区分所有法62条を根拠とする
  2. 2建替え決議は耐震性不足の認定を受けることが要件である
  3. 3敷地売却決議は、建物と敷地を一括して買受人に売却するものである
  4. 4いずれの決議も各過半数で成立する
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正解:3. 敷地売却決議は、建物と敷地を一括して買受人に売却するものである

敷地売却決議は、マンションと敷地を一括して買受人へ売却する決議です。建替え決議は区分所有法62条(各5分の4以上)、建物敷地売却決議は区分所有法64条の6(敷地利用権の持分の価格を含む各5分の4以上)を根拠とし、2026年4月施行の改正後はいずれも耐震性不足等の認定を要しません。いずれも原則として各5分の4以上が必要で、過半数では成立しません。

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