違いシリーズ一覧に戻る
品質管理の基本

問題と課題の違い

品質管理では「問題」と「課題」をはっきり区別します。どちらも今の状態と目指す状態のギャップですが、ギャップの向きがちがいます。すでに困っていることを直すのが問題、もっと良くしたい目標に近づくために取り組むのが課題です。この向きの違いを押さえると、二つの言葉を混同しなくなります。

比較表で見る違い

観点問題課題
意味現状があるべき姿を下回っている状態ありたい姿に近づくために取り組むこと
ギャップの向きマイナスをゼロに戻すゼロをプラスに伸ばす
時間の感覚すでに起きて困っているこれから目指していく
身近な例不良品が増えてしまったもっと使いやすい製品にしたい
進め方問題解決型のQCストーリー課題達成型のQCストーリー

それぞれの詳しい解説

A問題

問題とは、本来こうあるべきという姿(あるべき姿)に対して、今の状態がそれを下回っている状態のことです。たとえば「不良品が急に増えた」「納期に間に合わなかった」のように、すでに起きていて困っていることが問題です。マイナスになってしまった状態を、元のゼロ(正常な状態)へ戻すイメージでとらえると分かりやすいです。

  • あるべき姿と現状のマイナスのギャップ

  • すでに起きて困っていることが多い

  • 元の良い状態へ戻すことがゴール

B課題

課題とは、こうなりたいという姿(ありたい姿)に近づくために、これから取り組むべきことです。今すぐ困っているわけではなくても、「もっと品質を高めたい」「新しい製品を成功させたい」といった、より良い状態を目指す取り組みが課題にあたります。ゼロ(今の状態)をプラスへ伸ばしていくイメージです。

  • ありたい姿へ近づくための取り組み

  • 今すぐ困っていなくても設定できる

  • 今よりレベルを上げることがゴール

試験対策のポイント

マイナスをゼロに戻すのが問題、ゼロをプラスに伸ばすのが課題。「もう困っている」なら問題、「もっと良くしたい」なら課題と覚えましょう。

理解度チェック(3問)

Q1. 品質管理でいう「問題」の説明として、もっとも適切なものはどれか。

  1. 1現状があるべき姿を下回っている状態
  2. 2これから目指したい理想の姿そのもの
  3. 3作業を進めるための手順書
  4. 4製品を検査する機械の名前
解答・解説を見る

正解:1. 現状があるべき姿を下回っている状態

問題とは、あるべき姿に対して現状がそれを下回っている(マイナスになっている)状態を指します。理想の姿そのものは「ありたい姿」であり問題ではありません。手順書や機械は問題という言葉の意味とは無関係です。

Q2. 次のうち「課題」の例として、もっとも適切なものはどれか。

  1. 1不良品が先週より増えてしまった
  2. 2機械が急に止まって生産できなくなった
  3. 3新製品の品質をもっと高めて他社に差をつけたい
  4. 4クレームが来て対応に追われている
解答・解説を見る

正解:3. 新製品の品質をもっと高めて他社に差をつけたい

課題は、ありたい姿へ近づくために取り組むことです。「もっと高めたい」という前向きな目標は課題にあたります。不良増加・設備停止・クレーム対応はすでに起きて困っている状態なので問題の例です。

Q3. 問題と課題のちがいの説明として、もっとも適切なものはどれか。

  1. 1問題も課題も、まったく同じ意味である
  2. 2問題はマイナスをゼロに戻すこと、課題はゼロをプラスに伸ばすこと
  3. 3問題は数字で表し、課題は言葉でしか表せない
  4. 4問題は上司が考え、課題は部下が考えると決まっている
解答・解説を見る

正解:2. 問題はマイナスをゼロに戻すこと、課題はゼロをプラスに伸ばすこと

問題は下回った状態を元に戻す(マイナス→ゼロ)、課題はより良い状態を目指す(ゼロ→プラス)という、ギャップの向きの違いで区別します。両者は同じ意味ではなく、表し方や担当者で決まるものでもありません。

同じ分野の「違い」記事

QC検定4級 一問一答で演習する