司法書士に戻る
商業登記法難易度: 2021年度

司法書士 過去問商業登記法 第156問

問題

株式会社の吸収合併による変更の登記に関する次のアからオまでの記述のうち,正しいものの組合せは,後記 1 から 5 までのうち,どれか。 ア 消滅会社の資産に存続会社の株式が含まれる場合には,吸収合併により消滅会社から承継することによって存続会社の自己株式となる株式を含めて,消滅会社の株主に交付する存続会社の株式の数を定めた合併契約書を添付して,吸収合併による変更の登記を申請することができる。 イ 吸収合併における承継債務額が承継資産額を超える場合には,当該吸収合併による変更の登記の申請書には,存続会社の株主全員の同意があったことを証する書面を添付しなければならない。 ウ 消滅会社が債権者保護手続に係る公告を官報及び定款の定めに従って電子公告の方法によりした場合には,不法行為によって生じた消滅会社の債務の債権者がいるときであっても,吸収合併による変更の登記の申請書には,当該債権者に対して各別の催告をしたことを証する書面を添付することを要しない。 エ 株式会社Aを存続会社とし,株式会社B及び株式会社Cを消滅会社とする吸収合併の場合に,合併契約書が 1 通で作成されたときは,吸収合併による変更の登記の申請書には,登記すべき事項として株式会社B及び株式会社Cを合併した旨を一括して記載しなければならない。 オ 消滅会社の資産に存続会社の株式が含まれる場合には,吸収合併による変更の登記の申請書には,存続会社が当該株式に関する事項を存続会社の株主に対して通知したことを証する書面を添付しなければならない。

選択肢

  1. 1アウ
  2. 2アオ
  3. 3イウ
  4. 4イエ
  5. 5エオ

正解

1. アウ

詳しい解説を見る

解説

正解は「アウ」(正しいものの組合せ)。 ア=正しい。消滅会社が存続会社の株式(いわゆる抱き合わせ株式)を有している場合、その株式は吸収合併により存続会社に承継されて自己株式となる。合併契約において消滅会社の株主に交付する存続会社の株式の数を定めるに当たり、この自己株式となる株式を含めて定めた合併契約書を添付して変更の登記を申請することができる。根拠:会社法749条1項2号・3号、商業登記法80条 イ=誤り。吸収合併における承継債務額が承継資産額を超える場合には、存続会社の取締役は株主総会においてその旨を説明しなければならないが(会社法795条2項1号)、株主全員の同意までは要求されていない。したがってその同意を証する書面の添付は不要である。根拠:会社法795条2項1号 ウ=正しい。消滅会社が債権者保護手続に係る公告を官報のほか定款の定めに従って電子公告の方法によりしたときは、知れている債権者に対する各別の催告を省略することができる(会社法789条3項)。各別の催告を省略できない例外として不法行為債権者が挙げられているのは吸収分割の場合であり、吸収合併にはこの例外がない。根拠:会社法789条2項・3項 エ=誤り。複数の消滅会社について1通の合併契約書が作成された場合であっても、登記すべき事項は各消滅会社ごとに合併した旨を記載することになる。一括して記載しなければならないものではない。根拠:会社法921条、商業登記法80条 オ=誤り。消滅会社の資産に存続会社の株式が含まれている場合について、存続会社が当該株式に関する事項を株主に通知すべき旨を定めた規定はない。したがってその通知をしたことを証する書面の添付を要しない。根拠:会社法749条、商業登記法80条 以上より、正しいのはアとウであり、正解は「アウ」となる。(出典: 令和3年度 司法書士試験 午後の部 第31問)

一問一答

全11科目1,000問を科目別に学習

商業登記法の関連問題

この調子で演習を続けよう

スキマ資格では司書の全1350問を分野別・難易度別に体系的に学習できます。司法書士試験は午前の部(憲法・民法・刑法・会社法商法)と午後の部(民事訴訟法等・供託法・司法書士法・不動産登記法・商業登記法)の択一式に、不動産登記と商業登記の記述式を加えた構成です。受験資格は不要で、行政書士や宅建からのステップアップにも向いています。