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供託法難易度: 2022年度

司法書士 過去問供託法 第56問

問題

弁済供託に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記1 から 5 までのうち、どれか。 ア 建物の賃貸借における賃借人は、債務の本旨に従って賃料を賃貸人に提供し、賃料の受領と引換えに受取証書の交付を請求した場合において、賃貸人が賃料は受領しようとしたものの、受取証書の交付を拒んだときは、受領拒絶を原因とする弁済供託をすることができる。 イ 不法行為に基づく損害賠償債務について、債務者及び債権者の間で損害賠償の額に争いがあるために受領拒絶を原因とする弁済供託がされた場合において、被供託者が還付請求をするときは、損害賠償金の一部として受領する旨の留保を付すことはできない。 ウ 不法行為に基づく損害賠償債務の債務者は、損害賠償額に相当する額に履行の請求を受けた日から弁済の提供の日までの遅延損害金を加えた額をもって、弁済供託をすることができる。 エ 弁済供託の供託者が供託所に対して供託金取戻請求権を放棄する旨の意思表示をした場合には、これによって取戻請求権は消滅し、この放棄を撤回することができない。 オ 弁済供託が供託をすべき供託所以外の供託所に供託されている場合であっても、被供託者は、当該供託に係る供託金の還付を請求することができる。

選択肢

  1. 1アイ
  2. 2アオ
  3. 3イウ
  4. 4ウエ
  5. 5エオ

正解

3. イウ

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解説

正解は「イウ」(誤っているものの組合せ)。 ア=正しい。弁済をする者は、弁済と引換えに受取証書の交付を請求することができる(民法486条)。賃貸人が賃料は受領しようとしながら受取証書の交付を拒んだ場合、賃借人は弁済の提供を完了していながら受領を得られないことになるから、受領拒絶を原因とする弁済供託をすることができる。根拠:民法486条、494条1項1号 イ=誤り。不法行為に基づく損害賠償債務について賠償額に争いがあり受領拒絶を原因とする弁済供託がされた場合、被供託者は、損害賠償金の一部として受領する旨の留保を付して還付請求をすることができる。留保を付さずに還付を受けると債務の全額について弁済があったことを認めたことになりかねないため、被供託者の権利を保全する必要があるからである。根拠:民法494条、供託規則 ウ=誤り。不法行為に基づく損害賠償債務は、催告を要することなく損害の発生と同時に遅滞に陥る(最判昭和37年9月4日)。したがって遅延損害金は不法行為の時から起算しなければならず、履行の請求を受けた日から計算した額を加えたにすぎない供託は債務の本旨に従った弁済の提供とはいえず、有効な弁済供託とならない。根拠:民法412条3項、709条、494条 エ=正しい。供託者が供託所に対して供託金取戻請求権を放棄する旨の意思表示をしたときは、これによって取戻請求権は確定的に消滅し、後にこの放棄を撤回することはできない。放棄を前提として被供託者の地位が確立するからである。根拠:民法496条、供託法 オ=正しい。管轄違いの供託所にされた弁済供託は本来無効であるが、被供託者が当該供託を受諾して還付を請求した場合には、供託を有効なものとして取り扱い、還付を認めて差し支えないとされている。被供託者が満足を受ける以上、これを否定する実益がないからである。根拠:民法495条1項、供託法 以上より、誤っているのはイとウであり、正解は「イウ」となる。(出典: 令和4年度 司法書士試験 午後の部 第10問)

一問一答

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