司法書士に戻る
供託法難易度: 2025年度

司法書士 過去問供託法 第46問

問題

弁済供託に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし誤っているものの組合せは、後記 1 から 5 までのうち、どれか。 ア 債権が二重に譲渡され、それぞれ債務者に対する確定日付のある証書による通知がされた場合において、各通知が同時に債務者に到達したときは、債務者は、債権者不確知を原因とする供託をすることができる。 イ 債務者は、譲渡制限の意思表示がされた金銭債権が譲渡されたときは、その債権の全額に相当する金銭を供託することができる。 ウ 賃貸人が死亡した場合において、その相続人の有無が戸籍により調査をしなければ賃借人に不明であるときは、賃借人は、当該調査をすることなく、賃料の全額につき債権者不確知を原因とする供託をすることができる。 エ 持参債務について被供託者をA又はBとして債権者不確知を原因とする弁済供託をする場合において、Aの住所地の供託所とBの住所地の供託所とが異なるときは、いずれかの供託所に供託をすることができる。 オ 債権者不確知を原因とする供託がされた場合において、被供託者の中に権利義務の帰属主体となる実体を備えていない者が含まれていたときは、その他の被供託者の中に還付請求権を有する者が含まれていたとしても、供託は無効となる。

選択肢

  1. 1アイ
  2. 2アオ
  3. 3イウ
  4. 4ウエ
  5. 5エオ

正解

2. アオ

詳しい解説を見る

解説

正解は「アオ」。ア=誤り。債権が二重に譲渡され、確定日付のある証書による各通知が同時に債務者に到達した場合、判例は、各譲受人は債務者に対してそれぞれ譲受債権全額の弁済を請求することができ、債務者は一方に弁済すれば免責されるとした(最判昭55・1・11)。この場合、債務者にとって誰が債権者であるかが分からないわけではなく、優劣が決まらないだけであるから、民法494条2項の「債権者を確知することができない」場合には当たらず、債権者不確知を原因とする供託をすることはできない。イ=正しい。民法466条の2第1項は、債務者は、譲渡制限の意思表示がされた金銭債権が譲渡されたときは、その債権の全額に相当する金銭を債務の履行地の供託所に供託することができると定める。譲受人の善意悪意を問わず供託が認められる。ウ=正しい。賃貸人が死亡し相続人が明らかでない場合、賃借人は債権者不確知を原因として賃料を供託することができる。賃借人に戸籍をたどって相続人を調査すべき義務まで課すのは酷であり、実務上も調査を尽くさずに供託することが認められている。エ=正しい。弁済供託の管轄供託所は債務の履行地の供託所である(民法495条1項)。持参債務では債権者の住所地が履行地となるところ、被供託者をA又はBとする債権者不確知供託では、A・Bいずれの住所地の供託所にも供託することができる。オ=誤り。被供託者として掲げられた者の中に権利義務の帰属主体となる実体を備えていない者が含まれていたとしても、他の被供託者の中に還付請求権を有する者が含まれている限り、供託そのものが無効となるわけではない。したがって誤っているのはアとオである。(出典: 令和7年度 司法書士試験 午後の部 第9問)

一問一答

全11科目1,000問を科目別に学習

供託法の関連問題

この調子で演習を続けよう

スキマ資格では司書の全1350問を分野別・難易度別に体系的に学習できます。司法書士試験は午前の部(憲法・民法・刑法・会社法商法)と午後の部(民事訴訟法等・供託法・司法書士法・不動産登記法・商業登記法)の択一式に、不動産登記と商業登記の記述式を加えた構成です。受験資格は不要で、行政書士や宅建からのステップアップにも向いています。