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憲法難易度: 標準2023年度

司法書士 過去問憲法 第67問

問題

社会権に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし誤っているものの組合せは、後記 1 から 5 までのうち、どれか。 ア 障害福祉年金支給対象者から在留外国人を除外することは、立法府の裁量の範囲に属する。 イ 憲法第 25 条は、直接個々の国民に対して具体的権利を与えたものではない。 ウ 憲法第 25 条に規定する「健康で文化的な最低限度の生活」の具体的内容は、その時々における文化の発達の程度、経済的・社会的条件、一般的な国民の生活の状況等との相関関係において判断されるべきものである。 エ 公務員は、憲法第 28 条に規定する「勤労者」に当たらず、労働基本権の保障を受けない。 オ 憲法第 26 条第 2 項後段に規定する「義務教育」の無償の範囲には、授業料だけでなく、教科書を購入する費用を無償とすることも含まれる。(参考)憲法第 25 条 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。2 国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。第 26 条 (略)2 すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。第 28 条 勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保障する。

選択肢

  1. 1アイ
  2. 2アウ
  3. 3イエ
  4. 4ウオ
  5. 5エオ

正解

5. エオ

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解説

正解は「エオ」(誤っているものの組合せ)。 ア=正しい。障害福祉年金の支給対象者から在留外国人を除外することは、限られた財源のもとで福祉的給付を行うにあたり自国民を在留外国人に優先させることも許されるから、立法府の広い裁量の範囲に属する(塩見訴訟・最判平成元年3月2日)。根拠:憲法25条 イ=正しい。憲法25条1項は、国が国民一般に対して生活を保障すべき責務を負うことを宣言したにとどまり、直接個々の国民に対して具体的権利を賦与したものではない。具体的権利は、これを具体化する法律(生活保護法等)によって初めて与えられる(朝日訴訟・最大判昭和42年5月24日)。根拠:憲法25条1項 ウ=正しい。「健康で文化的な最低限度の生活」は極めて抽象的・相対的な概念であり、その具体的内容は、その時々における文化の発達の程度、経済的・社会的条件、一般的な国民生活の状況等との相関関係において判断決定されるべきものである(朝日訴訟)。この判断は厚生大臣の合目的的裁量に委ねられる。根拠:憲法25条1項 エ=誤り。公務員も自己の労務を提供することにより生活の資を得ている以上、憲法28条にいう「勤労者」に当たり、労働基本権の保障を受ける。もっとも、公務員の地位の特殊性と職務の公共性に鑑み、その労働基本権に必要やむを得ない限度の制限を加えることは許される(全農林警職法事件・最大判昭和48年4月25日)。保障そのものを受けないとする点が誤り。根拠:憲法28条 オ=誤り。憲法26条2項後段の「無償」とは授業料を徴収しないことを意味し、教科書その他教育に必要な一切の費用まで無償としなければならないことを定めたものではない(最大判昭和39年2月26日)。現在、義務教育の教科書が無償で配布されているのは法律による政策的措置であって、憲法上の要請ではない。根拠:憲法26条2項 以上より、誤っているのはエとオであり、正解は「エオ」となる。(出典: 令和5年度 司法書士試験 午前の部 第1問)

一問一答

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