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憲法難易度: 2023年度

司法書士 過去問憲法 第68問

問題

違憲審査権に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものの組合せは、後記 1 から 5 までのうち、どれか。 ア 表現の自由を規制する法律の規定は、一般の国民が当該規定から具体的場合に当該表現が規制の対象となるかどうかの判断が可能となるような基準を読みとることができない場合であっても、当該規定を限定して解釈することによって規制の対象となるものとそうでないものとを区別することができるときには、違憲無効であるとの評価を免れることができる。 イ 最高裁判所によりある法律が違憲無効であると判断された場合には、その法律は、直ちに効力を失う。 ウ 条約は、国家間の合意であるという性質に照らし、裁判所による違憲審査権の対象とならない。 エ 被告人に対する没収の裁判が第三者の所有物を対象とするものであっても、当該被告人は、当該第三者に対して何ら告知、弁解、防禦の機会が与えられなかったことを理由に当該没収の裁判が違憲であることを主張することができる。 オ 違憲審査権は、最高裁判所のみならず下級裁判所も有する。

選択肢

  1. 1アウ
  2. 2アエ
  3. 3イウ
  4. 4イオ
  5. 5エオ

正解

5. エオ

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解説

正解は「エオ」(正しいものの組合せ)。 ア=誤り。表現の自由を規制する法律の規定について限定解釈が許されるのは、その解釈により規制の対象となるものとそうでないものとが明確に区別され、かつ合憲的に規制し得るもののみが規制の対象となることが明らかにされる場合であって、さらに一般国民の理解において、具体的場合に当該表現物が規制の対象となるかどうかの判断を可能ならしめるような基準をその規定自体から読みとることができるものでなければならない(税関検査事件・最大判昭和59年12月12日)。基準を読みとれない場合にまで限定解釈で合憲とすることはできない。根拠:憲法21条1項 イ=誤り。違憲判決の効力については個別的効力説が通説であり、最高裁判所がある法律を違憲と判断しても、その法律が当然に効力を失うわけではなく、当該事件について適用されないにとどまる。法律を廃止するには国会による改廃が必要である。根拠:憲法81条・41条 ウ=誤り。条約も違憲審査の対象となり得る。もっとも、高度の政治性を有する条約については、一見極めて明白に違憲無効であると認められない限り、司法審査の範囲外にあるとされる(砂川事件・最大判昭和34年12月16日)。およそ対象とならないとする点が誤り。根拠:憲法81条・98条2項 エ=正しい。第三者の所有物を没収する場合に、その第三者に告知・弁解・防禦の機会を与えることなく所有権を奪うことは憲法31条・29条に反する。そして被告人としても、没収の裁判により第三者から賠償請求を受けるおそれがあるなど自己の利益を害されるから、その違憲性を主張することができる(第三者所有物没収事件・最大判昭和37年11月28日)。根拠:憲法31条・29条 オ=正しい。憲法81条は最高裁判所が違憲審査に関する終審裁判所であることを定めたものであり、下級裁判所が違憲審査権を有することを否定する趣旨ではない(最大判昭和25年2月1日)。根拠:憲法81条・76条3項 以上より、正しいのはエとオであり、正解は「エオ」となる。(出典: 令和5年度 司法書士試験 午前の部 第2問)

一問一答

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