司法書士に戻る
憲法難易度: 標準2023年度

司法書士 過去問憲法 第69問

問題

財政に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし誤っているものの組合せは、後記 1 から 5 までのうち、どれか。 ア 公金を公の支配に属しない慈善事業に対して支出することは、憲法上禁じられている。 イ 国の収入支出の決算は、全て毎年会計検査院がこれを検査し、内閣は、次の年度に、その検査報告とともに、これを国会に提出しなければならない。 ウ 内閣は、国会の議決に基づいて設けられた予備費の支出について、事前にも事後にも国会の承諾を得る必要はない。 エ 市町村が行う国民健康保険の保険料は、賦課徴収の強制の度合いにおいては租税に類似する性質を有し、憲法第 84 条の趣旨が及ぶ。 オ 地方公共団体が条例により税目や税率を定めることは、憲法上予定されていない。(参考)憲法第 84 条 あらたに租税を課し、又は現行の租税を変更するには、法律又は法律の定める条件によることを必要とする。

選択肢

  1. 1アウ
  2. 2アエ
  3. 3イエ
  4. 4イオ
  5. 5ウオ

正解

5. ウオ

詳しい解説を見る

解説

正解は「ウオ」(誤っているものの組合せ)。 ア=正しい。公金その他の公の財産は、宗教上の組織・団体の使用等に供してはならず、また公の支配に属しない慈善・教育・博愛の事業に対して支出し又はその利用に供してはならない(憲法89条後段)。公の支配に属しない事業への支出が禁じられるのは、公費の濫用を防ぎ事業の自主性を確保する趣旨による。根拠:憲法89条 イ=正しい。国の収入支出の決算は、すべて毎年会計検査院がこれを検査し、内閣は次の年度にその検査報告とともにこれを国会に提出しなければならない(憲法90条1項)。根拠:憲法90条1項 ウ=誤り。予見し難い予算の不足に充てるため、国会の議決に基づいて予備費を設け、内閣の責任でこれを支出することができるが、すべての予備費の支出については、内閣は事後に国会の承諾を得なければならない(憲法87条)。事後の承諾すら不要とする点が誤り。根拠:憲法87条 エ=正しい。市町村が行う国民健康保険の保険料は、被保険者において保険給付を受け得ることに対する反対給付として徴収されるものであるから租税そのものではないが、強制加入とされ賦課徴収の強制の度合いにおいては租税に類似する性質を有するから、憲法84条の趣旨が及ぶ(旭川市国民健康保険条例事件・最大判平成18年3月1日)。根拠:憲法84条 オ=誤り。地方公共団体は、憲法上、地方自治の本旨に従い自主的に財産を管理し事務を処理する権能を有し、その一環として課税権を有する。したがって、条例により地方税の税目や税率等を定めることは憲法上予定されている(憲法92条・94条、神奈川県臨時特例企業税事件・最判平成25年3月21日)。根拠:憲法92条・94条 以上より、誤っているのはウとオであり、正解は「ウオ」となる。(出典: 令和5年度 司法書士試験 午前の部 第3問)

一問一答

全11科目1,000問を科目別に学習

憲法の関連問題

この調子で演習を続けよう

スキマ資格では司書の全1350問を分野別・難易度別に体系的に学習できます。司法書士試験は午前の部(憲法・民法・刑法・会社法商法)と午後の部(民事訴訟法等・供託法・司法書士法・不動産登記法・商業登記法)の択一式に、不動産登記と商業登記の記述式を加えた構成です。受験資格は不要で、行政書士や宅建からのステップアップにも向いています。