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会社法・商法難易度: 2024年度

司法書士 過去問会社法・商法 第161問

問題

株主の権利に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし誤っているものの組合せは、後記 1 から 5 までのうち、どれか。 ア 取締役会設置会社の唯一の株主がその保有する譲渡制限株式を他人に譲渡した場合には、取締役会の決議による承認がないときであっても、その譲渡は、当該会社に対する関係において有効である。 イ 株式会社は、基準日株主が行使することができる権利が株主総会における議決権である場合において、当該基準日株主の権利を害しないときは、基準日後に株式を取得した者の全部又は一部を議決権を行使することができる者と定めることができる。 ウ 株券発行会社の株券を所持する株主は、当該会社に対し、当該株主に係る株主名簿記載事項を記載した書面の交付又は当該事項を記録した電磁的記録の提供を請求することができる。 エ 株主に剰余金の配当を受ける権利及び残余財産の分配を受ける権利の全部を与えない旨の定款の定めは、その効力を有しない。 オ 監査役設置会社において、株主が取締役会の議事録の閲覧又は謄写を請求するためには、裁判所の許可を得ることを要しない。

選択肢

  1. 1アウ
  2. 2アエ
  3. 3イエ
  4. 4イオ
  5. 5ウオ

正解

5. ウオ

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解説

正解は「ウオ」。ア=正しい。最高裁は、いわゆる一人会社においては、株主が譲渡制限株式を他人に譲渡した場合、取締役会の承認がなくても、その譲渡は会社に対する関係においても有効であるとした(最判平5・3・30)。譲渡制限の趣旨は会社にとって好ましくない者が株主となることを防ぐ点にあり、唯一の株主が譲渡を欲する以上その保護の必要がないからである。イ=正しい。会社法124条4項は、基準日株主が行使することができる権利が株主総会等における議決権である場合には、株式会社は基準日後に株式を取得した者の全部または一部を当該権利を行使することができる者と定めることができるとしつつ、ただし書で、当該株式の基準日株主の権利を害することができないと定める。ウ=誤り。会社法122条1項は、株主は株主名簿記載事項を記載した書面の交付または電磁的記録の提供を請求することができると定めるが、同条4項は、これらの規定は株券発行会社については適用しないと定める。株券発行会社では株券の所持自体が権利を表章するからである。エ=正しい。会社法105条2項は、株主に剰余金の配当を受ける権利および残余財産の分配を受ける権利の全部を与えない旨の定款の定めは、その効力を有しないと定める。株主の経済的利益を全面的に奪う定めは株主の地位の本質に反するからである。オ=誤り。会社法371条2項は株主が取締役会議事録の閲覧・謄写を請求できると定めるが、同条3項は、監査役設置会社、監査等委員会設置会社または指名委員会等設置会社にあっては、株主はその権利を行使するため必要があるときに裁判所の許可を得て請求することができると定める。監査役等による監査が行われることとの均衡から、裁判所の許可を要件としている。したがって誤っているのはウとオである。(出典: 令和6年度 司法書士試験 午前の部 第28問)

一問一答

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