問題
いま、マネーサプライ(またはマネーストック)Mが流通現金通貨Cと預金Dから構成され、 M=C+D とする。 また、ハイパワードマネーHは流通現金通貨Cと準備預金(日銀預け金)Rから構成される。 H=C+R このとき、マネーサプライとハイパワードマネーとの間には、 M=〔(C+D)/(C+R)〕H ……(1) が成立し、分数部分について分母および分子を預金Dで割ると、 M=〔(C/D+1)/(C/D+R/D)〕H ……(2) である。 このうち、C/Dを現金−預金比率、R/Dを準備率とする。(2)式は、貨幣乗数を通じたマネーサプライとハイパワードマネーとの関係を表している。なお、過剰準備が存在せず、準備率は法定準備率に等しいと仮定する。 このとき、(2)式の説明として最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。 a 買いオペは、ハイパワードマネーを増加させ、マネーサプライの増加を生じさせる。 b 貨幣乗数は1より大きい。 c 公定歩合の引き下げは、ハイパワードマネーの減少を通じてマネーサプライの減少を引き起こす。 d ハイパワードマネーが一定のもとで法定準備率を引き下げると、貨幣乗数が低下しマネーサプライは減少する。
選択肢
- 1aとb
- 2aとc
- 3aとd
- 4bとc
- 5bとd
正解
1. aとb
詳しい解説を見る解説を閉じる
解説
貨幣乗数は(C/D+1)/(C/D+R/D)で表される。現金−預金比率C/Dと準備率R/Dはいずれも1未満であるため、分子のC/D+1は分母のC/D+R/Dより大きく、貨幣乗数は1より大きい。よってbは正しい。 aの買いオペ(買いオペレーション)は中央銀行が市場から債券等を購入してハイパワードマネーを供給する操作であり、ハイパワードマネーが増えれば貨幣乗数倍されてマネーサプライも増加する。aは正しい。 cの公定歩合の引き下げは金融緩和であり、ハイパワードマネーを増加させマネーサプライを増やす方向に働くため、減少を引き起こすとする記述は誤り。dの法定準備率引き下げは分母のR/Dを小さくし貨幣乗数を上昇させ、マネーサプライを増加させるため、低下・減少とする記述は誤り。したがって正解はア(aとb)である。 (出典: 一般社団法人 中小企業診断協会 平成21年度 中小企業診断士1次試験 経済学・経済政策 第6問)
中小企業診断士トップ
一問一答・予想問題・まとめノート