問題
次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。 国民経済の主な担い手は営利企業であるが、その活動にはおのずと限界がある。特に市民社会が求めるサービスは、営利企業以外の活動主体によって提供される方がうまくいくことが少なくない。そのような活動主体としてNPO(Non-Profit Organization)が数多く存在する。 また、企業も市民社会の構成単位として、社会的責任(CSR)を明確にして経済活動を展開することが強く求められており、さまざまな非経済的な活動に取り組んでいる。そのこと以上に直接的に企業の社会的責任のあり方が顕在化するのは、企業の提供する製品やサービスへのクレームやトラブルあるいは不祥事をめぐってである。発生した問題に対して企業が誠実に適切に対応することは当然なことであるが、それがうまく行われていない例が数多く見られる。社会が期待するように企業が自ら進んで責任を果たそうとする姿勢は、その後の企業の存続に直結しかねない重大な課題なのである。 (設問1) 文中の下線部で指摘されるような企業活動では提供しにくいサービスの発生の理由として「市場の失敗」がもたらす非効率性が指摘されている。そのような市場の失敗を説明する記述として、最も不適切なものはどれか。
選択肢
- 1医師と患者の間では医療情報に顕著な差があるため、効率的な医療サービスが歪められる可能性が高い。
- 2学校教育では学生が費用を負担し、教育の便益を受けるが、企業は教育の費用を負担することなく学生を採用することによって教育の便益を得ることができるので、放置すれば教育の提供が歪められる。
- 3企業から発生した公害の解決や費用の負担をNPOや公共団体が担えば、企業は生産活動に専念できるようになるので経済効果が高まり、住民の福利厚生も増大する。
- 4サービスを受けてもその対価を負担しない受益者を排除することが難しい場合、企業はその事業に参入しにくい。
正解
3. 企業から発生した公害の解決や費用の負担をNPOや公共団体が担えば、企業は生産活動に専念できるようになるので経済効果が高まり、住民の福利厚生も増大する。
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解説
市場の失敗とは、情報の非対称性、外部性、公共財などにより市場メカニズムが資源を効率的に配分できない状態をいう。アは情報の非対称性、イは教育という正の外部性のただ乗り、エは非排除性をもつ公共財の例であり、いずれも市場の失敗の説明として適切。ウは公害という負の外部性の費用を企業が負担せずNPOや公共団体に転嫁することを是認しており、外部不経済を放置・容認する記述で市場の失敗の是正にならず、最も不適切。(出典: 一般社団法人 中小企業診断協会 平成21年度 中小企業診断士1次試験 企業経営理論 第1問 設問1)
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