問題
次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。 国民経済の主な担い手は営利企業であるが、その活動にはおのずと限界がある。特に市民社会が求めるサービスは、営利企業以外の活動主体によって提供される方がうまくいくことが少なくない。また、企業も市民社会の構成単位として、社会的責任(CSR)を明確にして経済活動を展開することが強く求められており、さまざまな非経済的な活動に取り組んでいる。 (設問2) 文中の下線部で指摘されるように、企業の社会的責任(CSR)は企業にとっては重要な戦略課題になっている。企業のあり方を問い直そうとするCSRへの取り組みは、国際的な広がりを示しつつ、大企業のみならず中小企業、さらには企業経営者にとっても重要な経営課題になっている。そのようなCSRをめぐる状況に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
選択肢
- 1ISO(国際標準化機構)は組織の社会的責任をとりあげ、国際的な倫理規範化を目指している。
- 2欧州では1976年に経済協力開発機構(OECD)が「OECD多国籍企業ガイドライン」を発表し、さらに2000年の改訂ではCSRの範囲を雇用、人権、環境、情報開示、消費者利益などに広げ、指針を設けて自主的な取り組みを求めている。
- 3かつて経済団体連合会は会員企業の経常利益の1%相当額以上の支出や個人の寄付を財源にする1%(ワンパーセント)クラブを設立して社会貢献活動を行ってきたが、2002年に日本経済団体連合会に統合する際にその活動は使命を終えたとして停止された。
- 4近年、CSRへの取り組みは中小企業にも広がっており、株主、従業員、消費者などを超えて、地域社会をも責任の範囲とする考え方が見られ、他方ではコミュニティ・ビジネスが誕生してきている。
- 5フィランソロピーは博愛的な精神に基づく慈善活動行為であるが、米国では富豪によるものが盛んであるのに対して、わが国では企業による社会的貢献活動として実施される傾向がある。
正解
3. かつて経済団体連合会は会員企業の経常利益の1%相当額以上の支出や個人の寄付を財源にする1%(ワンパーセント)クラブを設立して社会貢献活動を行ってきたが、2002年に日本経済団体連合会に統合する際にその活動は使命を終えたとして停止された。
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解説
ISOによる社会的責任の規格化(後のISO26000)、OECD多国籍企業ガイドラインの拡充、中小企業へのCSRの広がりとコミュニティ・ビジネスの誕生、日米のフィランソロピーの傾向の違いはいずれも適切。ウの1%クラブは経団連が社会貢献活動を推進するために設立した組織であり、2002年の日本経済団体連合会発足後も活動は継続されており、「使命を終えたとして停止された」という記述は事実に反し、最も不適切。(出典: 一般社団法人 中小企業診断協会 平成21年度 中小企業診断士1次試験 企業経営理論 第1問 設問2)
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