問題
A 株式会社と B 株式会社は、それぞれが有する専門技術を生かして新規のシステムを共同開発することを模索し、まずは秘密保持契約を締結して相互に技術情報を相手方に開示しようと合意した。この秘密保持契約に関する記述として最も適切なものはどれか。
選択肢
- 1秘密保持契約において相互に開示したデータや情報について、契約終了後、開示した当事者の請求に基づいてそれらを破棄または返却するなどの条項を設けなくとも、開示した当事者は受領した当事者に対し、所有権に基づきデータ・情報の破棄又は消去を請求できる。
- 2秘密保持契約は、共同開発が本格化した場合に締結される共同開発契約等の本契約とは別個に締結されるものであるから、本契約とは別途、秘密保持の対象となるべき情報が授受される期間や当該情報の秘密を保持すべき期間などの条項を定めることができる。
- 3秘密保持契約は、秘密を保持すべき義務を課すものであるが、故意又は過失により秘密を開示されたことによって生ずる損害が明確に立証できないためにいわゆる紳士協定であるともいわれ、相手方が万一契約違反をした場合であっても、他の法令に違反しない限りは相手方に対し何ら権利を主張できない。
- 4平成17年(2005年)に改正された新不正競争防止法により、共同開発を目的として開示された情報について、情報を受領した当事者に対し1年間秘密保持義務が課されたので、あえて秘密保持契約を締結する必要はない。
正解
2. 秘密保持契約は、共同開発が本格化した場合に締結される共同開発契約等の本契約とは別個に締結されるものであるから、本契約とは別途、秘密保持の対象となるべき情報が授受される期間や当該情報の秘密を保持すべき期間などの条項を定めることができる。
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解説
秘密保持契約(NDA)は独立した契約として、本契約とは別途、独自に条項を定めることができます。情報の授受期間や秘密保持期間も当事者の合意で自由に設定可能であり、これは契約自由の原則の現れです。よってイが最も適切です。アは情報・データは原則として無体物で所有権の対象とならず、契約条項なしに破棄請求はできないため誤り。ウは秘密保持契約も法的拘束力を持つ正規の契約で、違反時には債務不履行に基づく損害賠償請求等が可能なため誤り。エは不正競争防止法の営業秘密保護は要件(秘密管理性・有用性・非公知性)を満たす場合に限られ、自動的に1年間の秘密保持義務が課されるわけではないため誤りです。(出典: 一般社団法人 中小企業診断協会 平成21年度 中小企業診断士1次試験 経営法務第10問)
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