問題
下図は、最低賃金制度や農産物の価格支持政策のような価格の下限規制を描いたものである。 完全競争市場における均衡は、需要曲線D0D1 と供給曲線S0S1 の交点Eで実現し、均衡価格はP0、均衡量はQ0 である。ここで、均衡価格より高いP1 の水準で価格の下限が規制されたとする。このとき、取引量はQ1 に減少する。 この図の説明として、最も不適切なものを下記の解答群から選べ。

選択肢
- 1価格の下限が規制された場合でもパレート最適が実現する。
- 2価格の下限規制により、経済余剰の損失は三角形EFGになる。
- 3価格の下限規制により、消費者余剰は減少し、三角形D0GP1 に相当する。
- 4価格の下限規制のもとでは、生産者余剰は台形S0FGP1 に等しくなる。
正解
1. 価格の下限が規制された場合でもパレート最適が実現する。
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解説
完全競争市場では均衡点Eにおいて消費者余剰と生産者余剰の合計(社会的余剰)が最大化され、パレート最適が実現する。価格をP1 まで引き上げる下限規制を導入すると、取引量はQ1(<Q0)に減少し、買い手は割高で買い手控えが、売り手は売れ残りが発生する。この結果、市場では本来取引されるべきQ0−Q1 の数量が取引されず、三角形EFG分の死荷重(経済余剰の損失)が発生し、パレート最適は崩れる。 アは「下限規制下でもパレート最適が実現する」としており明らかに誤りで、これが最も不適切である。 イは正しい。失われる社会的余剰(死荷重)はちょうど三角形EFGに相当する。ウは正しい。P1 で取引量Q1 となるため、消費者余剰は需要曲線とP1 線とで囲まれる三角形D0GP1 に縮小する。エは正しい。生産者余剰はP1 と供給曲線の上下で囲まれた台形S0FGP1 となり、規制前より増加する(消費者から生産者への所得移転)。 したがって最も不適切なのはアであり、正解はアである。 (出典: 一般社団法人 中小企業診断協会 平成22年度 中小企業診断士1次試験 経済学・経済政策 第10問)
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