問題
次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。 D社は、自社の株式投資収益率(RDt)とTOPIXの変化率(RTt)との間に次式のような関係があるものとして、過去の観察データに基づいて次式のαとβを実証的に推計することにした。 RDt=α+βRTt+et ただし、etの期待値はゼロ、分散は一定と仮定される。 (設問2)文中の下線部のような関係性を仮定して証券収益率の期待値を推計するモデルとして最も適切なものはどれか。
選択肢
- 12項モデル
- 2APT
- 3CAPM
- 4インデックス・モデル
正解
4. インデックス・モデル
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解説
証券収益率の期待値を推計するモデルの識別問題である。 【問題文の式の特徴】 RDt=α+βRTt+et ここで、 RDt:D社の株式投資収益率 RTt:TOPIX(市場インデックス)の変化率 α、β:推計されるパラメータ et:誤差項(期待値ゼロ、分散一定) この式は、個別証券の収益率を「市場インデックスの変化率」の線形関数として表す単一因子モデルである。これはマーケットモデル(インデックス・モデル)と呼ばれる。 【各モデルの説明】 ア(2項モデル):オプション価格の評価モデル。基礎資産の価格が一定期間に上昇または下降の2つの値しか取らないと仮定する離散時間モデル。本問の式とは無関係。誤り。 イ(APT:裁定価格理論):複数の系統的リスクファクター(マクロ経済変数等)によって証券収益率を説明するマルチファクターモデル。RE=rf+β1F1+β2F2+…の形式。本問の単一インデックス式とは異なる。誤り。 ウ(CAPM:資本資産価格モデル):リスクとリターンの関係を理論的に導出するモデル。E(Ri)=rf+βi(E(Rm)−rf)の形式で、定数項はrf(無リスク利子率)と固定される。本問の式は「α」を実証的に推計しており、CAPMの理論式とは異なる(αは過剰収益として観測される)。誤り。 エ(インデックス・モデル):個別証券の収益率を市場インデックスの変化率の線形関数として表すモデル。マーケットモデル(市場モデル)とも呼ばれる。RDt=α+βRTt+et。本問の式そのもの。正しい。 したがってエが正解。 【補足】 CAPMは均衡理論に基づく理論モデル(事前モデル)であり、αは理論的にはゼロとなる。一方、インデックス・モデルは事後的な実証分析モデルであり、αとβをデータから推計する。本問では「過去の観察データに基づいて実証的に推計する」と明記されており、インデックス・モデルが正しい。よってエが正解。(出典: 一般社団法人 中小企業診断協会 平成22年度 中小企業診断士1次試験 財務・会計 第17問 設問2)
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