問題
科学的な基礎研究が事業に直接に結びつくとは限らない。また、事業化を目指して開発研究を展開し、商品化に成功したからといって、その商品が期待したような成功を収めるわけではない。自社技術の独自性を磨くことは大事であるが、それが企業の技術競争力に結びつくとは限らない。このような技術開発への対応に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
選択肢
- 1ある大手企業では中央研究所のあり方を見直し、研究者の一部を事業部門での応用技術研究に配属して、事業部門の研究開発力を強化することにした。
- 2ある耐久消費財メーカーでは、これまでのロット生産を廃止して、生産工程では顧客の求める仕様を作り込むように生産計画を組んで、限りなく受注生産に近い生産技術を開発して顧客ニーズに応えるようにした。
- 3自社で行う研究分野を絞り込んで、集中的に研究者や資金を配分して、研究のスピードアップを図っているが、どの分野に集中するかの目利きが難しいので、中央研究所のメンバーにより技術ロードマップを作成した。
- 4他社に先駆けて新技術の製品を発売するようにしているが、後発の他社にやがてシェアを奪われてしまうので、開発段階に営業部門が参加し、市場のニーズを活かした改良を加えて製品の独自性や魅力を高めるようにした。
正解
3. 自社で行う研究分野を絞り込んで、集中的に研究者や資金を配分して、研究のスピードアップを図っているが、どの分野に集中するかの目利きが難しいので、中央研究所のメンバーにより技術ロードマップを作成した。
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解説
研究分野の絞り込みと集中投資は方向性として正しいが、「どの分野に集中するかの目利きが難しいので、中央研究所のメンバーにより技術ロードマップを作成した」とするのは不適切。技術ロードマップは技術の動向だけでなく、市場・顧客・競合・社会のニーズ等を統合して将来像を描くものであり、中央研究所のメンバーのみで作成すると技術シーズ志向に偏り、市場機会の取りこぼしを招きやすい。実際の運用では研究部門・事業部門・営業部門・経営企画・外部有識者など多様な関与者を巻き込んだロードマップ策定が望ましい。よってウが最も不適切。アは中央研究所の応用化シフトの典型例で、事業との結びつきを強める方向として適切。イはロット生産から受注生産へのシフトで顧客密着型の生産技術開発として適切。エは先行者が後発に追われる現象(先行者の不利益)に対応するため、開発段階から営業を関与させ独自性を磨く工夫で適切。(出典: 一般社団法人 中小企業診断協会 平成22年度 中小企業診断士1次試験 企業経営理論 第7問)
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