問題
先端的な技術分野では、研究開発に要する資金が大きくなるにつれて、企業間の技術や部材の調達をめぐって、これまでにない提携関係が多く見られるようになってきた。そのような提携に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
選択肢
- 1エレクトロニクス産業では、EMS と呼ばれる中間製品の安価な供給メーカーから、半導体や液晶ディスプレイなどを買い付けて、価格競争力を確保する動きが国際的に見られる。
- 2カーエレクトロニクス化が進むにつれて、車載組み込みのソフトやハードの開発コストが膨大になっているので、ライバルメーカーが共同してその標準化に取り組む共同体が、欧州や日本に設立されている。
- 3技術が複雑多様化するにつれて、すべての技術を自前で持つことが不可能になったので、研究開発テーマによっては、異業種他社の参加を広範囲に求めることが多くなった。
- 4技術規格が定まらない新規技術分野では、いくつかの企業が連携して技術規格の標準化を目指す動きが活発であるが、その帰趨は技術の優位性に依存している。
- 5国際競争力を保つべく、同業者が連携して、規模の経済を狙って業界内でコアな標準部品の生産を特定企業に集中し、生産から撤退した企業はそこから供給を受ける仕組みが見られるようになった。
正解
4. 技術規格が定まらない新規技術分野では、いくつかの企業が連携して技術規格の標準化を目指す動きが活発であるが、その帰趨は技術の優位性に依存している。
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解説
技術規格が定まらない新規技術分野で、企業連携による標準化の動きがあることは正しいが、その帰趨(成否)が「技術の優位性に依存している」とするのは不適切。デファクト標準の競争では、純粋な技術的優位性だけでなく、(1)提携先の数とサプライチェーンへの波及、(2)補完財の充実度、(3)初期市場でのインストールベース、(4)価格戦略、(5)知的財産権の運用方針など多面的な要因で帰趨が決まる。VHS 対ベータ、ブルーレイ対 HD DVD などの歴史的事例も、技術の優位性のみでは説明できない。よってエが最も不適切。アは EMS 活用の典型例で適切。イはカーエレクトロニクスでの AUTOSAR や JasPar など実在の標準化共同体を念頭にした記述で適切。ウはオープン・イノベーション型の研究開発の説明で適切。オはコアな標準部品の生産集中化(コンソーシアム生産)の事例で適切。(出典: 一般社団法人 中小企業診断協会 平成22年度 中小企業診断士1次試験 企業経営理論 第6問)
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