問題
エレクトロニクス業界においては、自前で開発した技術にこだわる自社技術志向企業と、グローバルに中間財や他社技術を導入して対応しようとする国際水平分業志向企業とでは、製品のコモディティ化への対応が異なっている。 下図は、2つの企業の市場シェアの変化をコモディティ化に関連づけてイメージ化したものである。この図を参考にしながら下記の設問に答えよ。 (設問1)図のような現象に関連する状況についての記述として、最も不適切なものはどれか。

選択肢
- 1国際市況価格で原材料やキーデバイスを仕入れても、同業者も同様に振る舞うことができる分野では、価格優位の長期の維持は難しく、収益低下によって誰もが儲からない競争になりがちである。
- 2国際水平分業志向企業は、グローバルに調達した安い原材料やキーデバイスで生産コストの安い国で生産を行いながら価格競争力を高めるのが合理的である。
- 3自社技術志向企業が価格競争力を失うのは、自前主義で時間のかかる独自技術の開発を貫こうとするためなので、コモディティ化のスピードに遅れた自社技術は積極的に破棄してその市場からの撤退を進めなければならない。
- 4製品技術の優位性が薄らいでくると、国際的な中間財受託生産企業がキーデバイス等の供給を通じて、新規業者の参入を推し進めるので、急速に価格競争が激化する。
正解
3. 自社技術志向企業が価格競争力を失うのは、自前主義で時間のかかる独自技術の開発を貫こうとするためなので、コモディティ化のスピードに遅れた自社技術は積極的に破棄してその市場からの撤退を進めなければならない。
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解説
コモディティ化が進む市場で自社技術志向企業が価格競争力を失う場面で、「自社技術は積極的に破棄してその市場からの撤退を進めなければならない」とするのは過剰に一律な対応であり最も不適切。自社技術志向企業の対応としては、(1)新技術投入による差別化軸の更新、(2)知財による参入抑止、(3)高機能・高付加価値帯への集中、(4)地域ニーズ密着型の供給体制構築など複数の選択肢があり、「破棄して撤退」が常に最適解になるわけではない。むしろコモディティ化に直面した自社技術の有効活用こそが本問の含意である。よってウが最も不適切。アはコモディティ財市場での収益低下の一般理解として適切。イは国際水平分業志向企業の合理的戦略の説明として適切。エは EMS や中間財ファウンドリが新規業者の参入を加速させ価格競争を激化させるという現実的観察で適切。(出典: 一般社団法人 中小企業診断協会 平成22年度 中小企業診断士1次試験 企業経営理論 第8問 設問1)
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