問題
現代においては、価格政策が他のマーケティング・ミックス要素(小売業者の場合は小売ミックス要素)と統合的に作用することで、企業の競争優位性が左右されるようになっている。現代の価格政策に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
選択肢
- 1小売業者が Hi-Lo 政策を導入し、フォワード・バイイングを行う場合、保管スペースが多く必要になったり、商品の鮮度が低下したりする。
- 2小売業者による EDLP 政策は、キャンペーンなどによる一時的な値引きを行わず、日常的に低価格で商品を販売する方法である。
- 3情報化社会の進展に伴い、消費者のもつ製品知識水準が向上したため、価格の品質バロメーター機能が作用しにくい状況が目立つようになっている。
- 4伝統的な価格設定方法のひとつにコスト・プラス法がある。この手法は、消費者の価格感度や製品市場での競争状況を価格設定に反映させている。
- 5プレステージ(Prestige)商品では、価格が低下するといったん需要が増加するが、さらなる低価格化が進むと需要は減少することも多い。
正解
4. 伝統的な価格設定方法のひとつにコスト・プラス法がある。この手法は、消費者の価格感度や製品市場での競争状況を価格設定に反映させている。
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解説
コスト・プラス法(cost-plus pricing)は、製品原価に一定のマージン率を上乗せして価格を決定する伝統的手法で、内部のコスト構造を起点とした価格設定である。この手法の特徴は、まさに「消費者の価格感度」や「製品市場での競争状況」を直接的には反映しない点にあり、需要や競争を反映するためにはバリュー・ベースド・プライシングや競争志向型価格設定など別の手法が必要となる。よってエの「消費者の価格感度や製品市場での競争状況を価格設定に反映させている」は逆の説明で最も不適切。アは Hi-Lo 政策(高低価格政策)下でのフォワード・バイイング(卸売特売時の先行買い溜め)における在庫増・鮮度低下の問題で適切。イは EDLP(Every Day Low Price)の定義として適切。ウは情報化進展による品質バロメーター機能(高価格=高品質と推測する手がかり機能)の低下という観察で適切。オはプレステージ商品でのギフェン財に類似した需要曲線(プレミアム性を支えるための価格=価値の連関)の説明として適切。(出典: 一般社団法人 中小企業診断協会 平成22年度 中小企業診断士1次試験 企業経営理論 第24問)
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