問題
ある地方都市の、手作りの折りたたみ式マウンテンバイクを製造する、小さな町工場の社長 Y 氏は、高視聴率を誇るテレビのビジネス情報番組で自社の製品が紹介されたことがきっかけとなり、全国から対応しきれないほどの数の引き合いを受けるようになった。昨今の健康ブームも相まって、自転車通勤に切り替えたり、週末にサイクリングで名所めぐりをする消費者が全国的に増加していることもあり、Y 氏はこの機会に自社で手作りする自転車を全国市場で販売することを決心した。その販売経路政策として、最も不適切なものはどれか。ちなみに Y 氏の町工場が生産する自転車の価格帯は、12万円から20万円程度であり、テレビ報道を機に商標名の認知度も高まってきている。
選択肢
- 1大手自転車メーカーと販売に関する提携をして、適切な小売店に納入していく。
- 2各々の地域市場において有力な自動車ディーラーの営業担当者を介した販売を進めていく。
- 3自社製品の露出をできる限り高めるために、開放型チャネル戦略を展開する。
- 4全国市場でのテスト販売を兼ねて、まずは有力なインターネット・ショッピング・モールに出店し、売上の動向や収益性の判断を、相応の時間をかけて行う。
- 5大都市圏のみに数店舗を構えるライフスタイル型の専門店小売企業に取引先を限定し、高性能・高級ブランド自転車として販売していく。
正解
3. 自社製品の露出をできる限り高めるために、開放型チャネル戦略を展開する。
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解説
Y 氏の自転車は (1)価格12万〜20万円の高価格帯、(2)手作りの希少製品、(3)テレビ報道でブランド認知が高まっている、(4)生産能力に限りがある町工場製、という特性を持つ。このような製品の販売チャネル戦略では「選択的チャネル戦略(限定された質の高い小売店)」ないし「専属的チャネル戦略(限定的な専門店)」が適合する。これに対して「開放型チャネル戦略」(できるだけ多くの小売店で取り扱う)は、コンビニ消費財や日用品など低単価・高頻度購買製品に適合する戦略であり、高価格帯のクラフト製品とは整合しない。露出を最大化することでブランドのプレミアム性も希薄化する恐れがある。よってウが最も不適切。アは大手メーカーとの提携で適切な小売店網に乗せる選択的チャネル戦略として適切。イは自動車ディーラー網の活用は珍しい選択肢だが、地域密着性とライフスタイル提案力を兼ね備えた販売チャネルとしての可能性はあり、即座に不適切とは断じられない。エはインターネット・モールでのテスト販売と段階的な全国展開で適切。オは大都市圏のライフスタイル型専門店への限定(専属的チャネル戦略)で高級ブランド戦略と整合的で適切。(出典: 一般社団法人 中小企業診断協会 平成22年度 中小企業診断士1次試験 企業経営理論 第25問)
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