問題
情報が不完全な市場で観察される「逆選択」に関する説明として最も適切なものはどれか。
選択肢
- 1最低賃金制度が導入されると、労働需要が減少するという逆選択が発生する。
- 2自動車の事故保険では、保険金を受領する可能性(事故の可能性)が高い人ほど、保険に加入するという逆選択が発生する。
- 3乳幼児医療費の助成制度が充実するほど、乳幼児の医療費は増大しがちであるという逆選択が発生する。
- 4無名な企業が生産した商品は、それが良質であるとしても、有名な企業が生産した商品に比べて人気が低いという逆選択が発生する。
正解
2. 自動車の事故保険では、保険金を受領する可能性(事故の可能性)が高い人ほど、保険に加入するという逆選択が発生する。
詳しい解説を見る解説を閉じる
解説
正解はイである。「逆選択(adverse selection)」とは、契約成立「以前」の情報の非対称性により、質の悪い側(リスクの高い側)が市場に集中・選別される現象を指す。自動車保険では、事故を起こしやすい人ほど自分のリスクをよく知っているため保険加入の便益が大きく、加入者がリスクの高い人に偏る。その結果、保険会社は保険料を引き上げざるを得ず、健全なドライバーが脱落するという悪循環(最終的には市場が成立しなくなりうる)が生じる。これがアカロフの「レモン市場」と並ぶ逆選択の代表例である。 アは誤り。最低賃金引上げによる労働需要減少は通常の需要供給分析の話で、情報の非対称性に起因する現象ではないため逆選択ではない。 ウは誤り。助成制度が充実すると医療サービスの利用が増えるのは「モラルハザード」(契約成立「後」に行動が変化する情報非対称性の問題)の典型例である。 エは誤り。これは情報の非対称性の一種ではあるが、シグナリングやブランド効果の議論であり、市場から良質な無名企業が淘汰されるという逆選択現象(レモン市場)の典型例ではなく、本選択肢では人気の格差を述べているにとどまり最適でない。 (出典: 一般社団法人 中小企業診断協会 平成23年度 中小企業診断士1次試験 経済学・経済政策 第15問)
中小企業診断士トップ
一問一答・予想問題・まとめノート