問題
いま、ある個人は、図中にある線分AJが示す予算制約の中で学習用の教材を購入するか、他の財を購入することができる。政府は、この個人による学習用の教材の購入に対して以下の2つの方法で支援を行うものとする。なお、ADI線上の点EとABC線上の点Fは、同一の無差別曲線上にある。 ① ABC線が示すように、B点の水準までの教材の消費量に対して、その費用の一定割合を政府が負担する補助金の制度。 ② ADI線が示すように、D点の水準までの教材の消費量に対して、その費用の全額を政府が負担する補助金の制度。 図の説明として、最も不適切なものを下記の解答群から選べ。

選択肢
- 1個人の教材への支出が過小になりがちであると政府が評価しているならば、政府は①の制度を採用すべきである。
- 2個人の効用を下げることなく、政策費用を削減したいならば、政府は②の制度を採用すべきである。
- 3点Dから点Hまでの長さは、②の制度を選択した場合に、政府が支払うべき補助金額を示している。
- 4点Fから点Hまでの長さは、①の制度と②の制度を比較したとき、個人の効用を下げることなく、政府が削減できる費用の大きさを示している。
正解
3. 点Dから点Hまでの長さは、②の制度を選択した場合に、政府が支払うべき補助金額を示している。
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解説
最も不適切なのはウである。本問は教育(学習教材)に対する2種類の補助金を比較する問題で、①は価格補助(教材1単位あたり一定割合を補助:B 点まで)、②は現物給付(D 点までは全額補助)の制度設計である。 ウは誤り。②の制度では D 点までの教材を政府が全額負担する。図において補助金額は「D 点に対応する元の予算制約線 AJ 上の点」までの「縦方向の差」、すなわち(教材以外の財の消費量で測った)「点 G から点 D までの長さ」もしくは AJ 線上の対応点と D との縦距離で示される。点 D から点 H までの長さは無差別曲線上での移動に関係するもので、純粋な補助金額の指標ではない。よってウの説明は不正確である。 アは正しい。①の価格補助は教材消費の限界費用を下げる効果があり、過小消費を是正したい政策意図に合致する。 イは正しい。点 E と点 F が同一無差別曲線上にあるため、①の制度(点 F)と②の制度(点 E)は個人の効用を同じに保ち、かつ②の方が政府支出が小さい(点 E の方が補助金額が小さい)ため、効用を下げずに費用を削減できる。 エは正しい。F 点(①制度)と E 点(②制度)は同一効用だが補助金額が異なり、その差は点 F から点 H までの長さ(同一無差別曲線上の所得換算)に等しい。これが効用を変えずに削減できる費用の大きさである。 (出典: 一般社団法人 中小企業診断協会 平成23年度 中小企業診断士1次試験 経済学・経済政策 第18問)
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