問題
企業経営者が、損失を隠す粉飾決算を行い、投資を呼び込むために株価をつり上げ、そのことが公表されて倒産するに至るという事件が起きることがある。このような場合、投資家、顧客、従業員、地域社会の他、利害関係者に大きな損害を与える可能性があるとともに、資本主義経済システムへの信頼そのものを失わせてしまう可能性がある。 有効なコーポレートガバナンスの仕組みに関する記述として最も適切なものはどれか。
選択肢
- 1株式市場に上場し、より多くの株主に株式を分散して保有してもらい、多様な株主による株主総会でのチェック機構を強化する。
- 2企業の会計基準を時価会計にあらため、外部監査会社による積極型会計(aggressive accounting)を法的に義務づけ積極的に情報の開示を促進させる。
- 3内部統制と内部統制報告書の作成を促進し、情報の開示や説明責任の明確化などを図る必要がある。
- 4万一こうした損害が発生した場合、その被害を最小限に抑えるために、一定以上の資産をデリバティブなどのリスク管理資産として留保しておくよう義務づける。
正解
3. 内部統制と内部統制報告書の作成を促進し、情報の開示や説明責任の明確化などを図る必要がある。
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解説
コーポレートガバナンスの中核的な仕組みとして、内部統制システムの構築と内部統制報告書の作成・開示は、企業活動の適正性確保、不正防止、情報開示の透明性、説明責任(アカウンタビリティ)の明確化のために不可欠である。日本では金融商品取引法(いわゆる J-SOX)により上場企業に内部統制報告制度が義務付けられている。よってウは最も適切。アは株主分散と株主総会チェックは一定の効果はあるが、分散株主は議決権行使に消極的になりがちで集合行為問題が生じ、必ずしもチェック機能強化につながらない。イは「積極型会計(aggressive accounting)」とは利益を過大計上する不適切な会計処理を指す概念であり、これを義務付けるという記述は明らかに誤り。エはデリバティブなどのリスク管理資産はそれ自体が新たなリスクの源泉でもあり、損害発生時の補填手段として義務付けるという発想はガバナンスの本旨と無関係。(出典: 一般社団法人 中小企業診断協会 平成23年度 中小企業診断士1次試験 企業経営理論 第18問)
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