問題
次の文章は、ゲームソフトの開発・制作等の事業を営んでいる株式会社甲の代表取締役社長(以下「甲社社長」という。)と、中小企業診断士であるあなたとの会話である。この会話の空欄A〜Eに入る用語の組み合わせとして最も適切なものを下記の解答群から選べ(※法令名は略称による。)。 甲社社長:「ちょっと、困ったことが起こって。」 あなた:「どうされたのですか?」 甲社社長:「うちの会社(甲社)は、携帯電話向け SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サイト)用のゲームソフトを開発して、大学生や社会人向けのソフトを X 社に、中高生向けのソフトを Y 社にそれぞれ供給しているんだけど、今回、X 社との間のゲームソフト制作・開発委託契約を更新する話合いの中で、同業他社に同種のゲームソフトを提供しないことを当社に義務付ける内容の条項を追加するように X 社から要求されているんだ。しかもリーガルチェックの段階で、うち(甲社)が X 社の担当者に対してこの新条項に難色を示したら、『この条項の追加を受け入れてもらえなければ、御社(甲社)のゲームソフトを当社(X社)の SNS の会員向けゲームカテゴリーから外すことも考えなければならない。』と言われたんだよ。カテゴリーから外されると、うち(甲社)のゲームは新規会員の獲得ができず、ダウンロード済みの顧客からの課金収入しかなくなってしまうので、死活問題になっちゃうよ。」 あなた:「ちょっと待ってください、社長。X 社は携帯電話向け SNS 用のオンラインゲームでは、7割以上のシェアを握っていて業界トップでしょう。そういう会社が社長の言われるような行為をしているとなると、 A に該当する疑いがあり、 B で禁止されている C の問題となる可能性があります。そんな新条項の追加要求に応じる必要はないと思いますよ。」 甲社社長:「確かにそうなんだけど、うちのようなベンチャー企業は、どうしても大手のオンラインゲーム会社の要求をのまざるを得ないんだよなあ。何しろ、Y 社が主催しているゲームフェアに参加させてもらったときは、ほとんどうち(甲社)のゲームが来場者の目に触れるようなブースもなかったのに、協賛金を負担するように要請されて支払ったこともあったんだ。」 あなた:「社長、どこまでお人好しなんですか。そんな御社(甲社)の売上にとって直接的なメリットのない協賛金を負担させていたとなると、Y 社の行為は D に該当する可能性が高いですから、やっぱり C の問題となりますよ。そういう大手のむちゃな要求ばかりのんで、当面の受注は取れても、長い目で見れば御社(甲社)のためになりませんよ。」 甲社社長:「うーん、そうなるとやっぱりどこかに相談しないと。どこか役所でこういう問題を相談できるところはないの?」 あなた:「 B では C に該当する行為の排除措置を命ずる権限が E に与えられていますし、 B に違反する事実があれば、だれでもその事実を E に報告して適当な措置をとるように求めることができますから、そこに相談するのが筋だと思います。」
選択肢
- 1A:拘束条件付取引 B:独占禁止法 C:不当な取引制限 D:共同の取引拒絶 E:中小企業庁
- 2A:再販売価格の拘束 B:下請法 C:不公正な取引方法 D:差別対価 E:公正取引委員会
- 3A:抱合せ販売等 B:特定商取引法 C:不当な取引制限 D:優越的地位の濫用 E:消費者庁
- 4A:排他条件付取引 B:独占禁止法 C:不公正な取引方法 D:優越的地位の濫用 E:公正取引委員会
正解
4. A:排他条件付取引 B:独占禁止法 C:不公正な取引方法 D:優越的地位の濫用 E:公正取引委員会
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解説
X社が甲社に同業他社へのゲームソフト提供を禁止する条項追加を要求する行為は、競争者との取引を排除する「排他条件付取引」(A)に該当する疑いがあります。これは「独占禁止法」(B)で禁止されている「不公正な取引方法」(C)の問題となります。また、Y社が甲社にメリットのない協賛金を負担させる行為は、優越的地位を利用して取引相手に不利益を強要する「優越的地位の濫用」(D)に該当します。独占禁止法では、不公正な取引方法に該当する行為の排除措置命令権限は「公正取引委員会」(E)に与えられています。よって、エが正解です。(出典: 一般社団法人 中小企業診断協会 平成23年度 中小企業診断士1次試験 経営法務 第13問)
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