問題
次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。 中小企業と大企業を比較すると財務・損益面でも多くの違いが指摘できる。資金調達構成を見ても、中小企業は大企業に比べ借入金依存度が高く、金融機関の貸出姿勢の変化は中小企業経営により大きな影響を与える。日本銀行「金融経済統計月報」や中小企業庁の調査によると、中小企業向け総貸出残高252.1兆円(2009年12月、国内銀行信託勘定他を除く)のうち、金融機関別では民間金融機関が約A割を占めており、残りが政府系金融機関等となっている。また、2007年1〜3月期から2009年10〜12月期の期間について、四半期末ごとの金融機関別中小企業向け貸出残高の推移(前年同期比)を見ると、Bは2008年10〜12月期以降の貸出残高が増加傾向にあるものの、Cにおいては残高の減少基調が続くなど、金融機関によって中小企業向け貸出動向に違いが見られる結果となっている。 (設問1)文中の下線部について、財務省「法人企業統計年報」(2008年度、非一次産業)に基づき、大企業と中小企業の主要な財務指標を比較した場合、最も適切なものはどれか。なお、ここで、中小企業とは中小企業基本法の定義によるものとし、それ以外の企業を大企業とする。
選択肢
- 1中小企業の借入金利子率(=支払利息・割引料/(短期・長期借入金+社債+受取手形割引高)×100)は大企業の2倍以上の水準である。
- 2中小企業の債務償還年数(=(短期・長期借入金+社債)/(経常利益×50%+減価償却費+特別減価償却費-役員賞与-中間配当額-配当金))は大企業の2倍以上の水準である。
- 3中小企業の自己資本比率(=(純資産-新株予約権)/総資本×100)は大企業の半分以下の水準である。
- 4中小企業の総資本回転率(=売上高/総資本)は大企業を上回っている。
正解
2. 中小企業の債務償還年数(=(短期・長期借入金+社債)/(経常利益×50%+減価償却費+特別減価償却費-役員賞与-中間配当額-配当金))は大企業の2倍以上の水準である。
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解説
財務省「法人企業統計年報」(2008年度、非一次産業)に基づくと、債務償還年数(営業キャッシュフローを生み出す力に対する借入金の倍率を示す指標)は中小企業が大企業の2倍以上の水準にあり、中小企業の借入金返済余力が大企業に比べ大きく劣ることを示している。具体的には大企業の債務償還年数が約4〜5年程度であるのに対し、中小企業は約12〜15年程度と倍以上の長さである。これは中小企業の収益力(経常利益・キャッシュフロー)が相対的に低い一方で借入金依存度が高いという構造的特徴を反映している。アの借入金利子率は中小企業のほうが高めだが2倍までは差がない。ウの自己資本比率は中小企業が大企業より低いものの半分以下とまでは言えない(中小30%程度、大企業40%強)。エの総資本回転率は中小企業のほうが大企業を下回る傾向にあり誤り。したがってイが正解。(出典: 一般社団法人 中小企業診断協会 平成23年度 中小企業診断士1次試験 中小企業経営・中小企業政策 第5問 設問1)
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