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財務・会計難易度: 2012年度

中小企業診断士 過去問財務・会計 第2問

問題

次の文章を読んで下記の設問に答えよ。 企業価値の評価手法には、伝統的な企業業績評価手法であるデュポン・システムを応用したものがある。これによれば株価は、1株当たり当期純利益と A との積に分解され、さらに1株当たり当期純利益は1株当たり純資産とROEとの積に分解される。こうした会計数値に基づく手法のほか、今日では企業価値評価手法として、キャッシュフローに基づく手法やEVAなどを利用した B といった手法も利用されている。 (設問2) 文中の下線部のROEを企業価値評価手法として直接使用する場合に考えられる問題点として、最も不適切なものはどれか。

選択肢

  1. 1ROEによって測定される値では、企業規模による影響を考慮した比較が困難である。
  2. 2ROEによって測定される値には、株主の資本コストが反映されていない。
  3. 3ROEによって測定される値は、企業の採用する会計処理方法によって影響を受けることがある。
  4. 4ROEによって測定される値は、財務レバレッジの影響を受けることがある。

正解

1. ROEによって測定される値では、企業規模による影響を考慮した比較が困難である。

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解説

本問は「最も不適切なもの」を選ぶ問題。ROE(自己資本利益率)の企業価値評価指標としての問題点を順に検討する。 ア:ROEは「当期純利益÷株主資本」の比率であり、企業規模に依存しない指標である。むしろ企業規模に影響されないことがROEの長所であり、規模が異なる企業同士を比較するためにこそ用いられる。「規模による影響を考慮した比較が困難」というのはROEの本来的性質に反するため、不適切な記述(=最も不適切)。 イ:ROEは資本コストを差し引いていないため、株主の要求収益率を上回っているかどうかを判断できない。EVAなどと違い資本コストを反映していないのはROEの実際の弱点で、適切な記述。 ウ:ROEの分子の当期純利益は減価償却方法・在庫評価方法など会計処理の選択により変動する。会計処理の影響を受けるのは適切な指摘。 エ:ROE=総資本利益率×財務レバレッジで分解され、負債比率を高めればROEは上昇する(リスクも増す)。財務レバレッジの影響を受けるのは適切な指摘。 よってアが「最も不適切」で正解。(出典: 一般社団法人 中小企業診断協会 平成24年度 中小企業診断士1次試験 財務・会計 第20問 設問2)

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