問題
選択肢
- 1特許権の共有者は、契約で別段の定めをしていない場合には他の共有者と共にでなくとも、単独で、特許発明の実施をすることができる。
- 2特許権の共有者は、他の共有者と共にでなくとも、単独で、共有持分を放棄することができる。
- 3特許権の共有者は、他の共有者と共にでなくとも、他の共有者の同意を得たうえで単独で、共有持分を譲渡することができる。
- 4特許権の共有者は、他の共有者と共にでなくとも、単独で、特許を無効とする審決に対する審決取消訴訟を提起することができる。
正解
4. 特許権の共有者は、他の共有者と共にでなくとも、単独で、特許を無効とする審決に対する審決取消訴訟を提起することができる。
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解説
本問は特許権の共有に関する規律(特許法73条等)について、最も「不適切」なものを問う。 ア(適切):特許法73条2項により、特許権が共有されている場合、各共有者は契約で別段の定めをした場合を除き、他の共有者の同意を得ることなく、単独で特許発明の実施をすることができる。 イ(適切):共有持分の放棄は、譲渡や質権設定(特許法73条1項で他の共有者の同意を要求)と異なり、明文の制限がなく、放棄した持分は民法255条により他の共有者に帰属するため、他の共有者を不利益にしない。したがって他の共有者の同意なしに単独で持分を放棄できる、と解されている。 ウ(適切):特許法73条1項により、特許権の各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、その持分を譲渡できない。逆に言えば、他の共有者の同意を得れば単独で持分の譲渡が可能であり、本肢の「他の共有者の同意を得たうえで単独で」という表現はこの規律に沿っている。 エ(最も不適切):特許権の共有者が、無効審判の請求人となって審決取消訴訟を提起する場面(特許権の共有者が他人の特許を無効にしようとする側)について、最高裁平成7年3月7日判決は「特許権の共有者が共同して提起すべき固有必要的共同訴訟である」と判示している。本肢は「特許を無効とする審決に対する審決取消訴訟」と読めるが、共有特許権者側として無効審決を取消す訴訟を起こす場合と、共有者が請求人として無効審判を起こした後の不成立審決に対する取消訴訟を起こす場合があり、後者の場面では共有者全員で提起すべき固有必要的共同訴訟である(最判平成7年3月7日)。協会公式解答が本肢を「最も不適切」としているのは、無効審決取消訴訟を提起できる主体が常に単独でよいわけではなく、共有者全員での提起が原則必要となる場面が存在し、本肢のような無限定な記述が法律上不正確だからである。 よってエが正解。(出典: 一般社団法人 中小企業診断協会 平成24年度 中小企業診断士1次試験 経営法務 第8問)
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