問題
選択肢
- 1会社が、会社の役員(関連当事者)に対し報酬の支払いを行っていたとしても、その報酬について財務諸表上で関連当事者との取引として開示を行わないことは問題はない。
- 2会社が、会社の役員(関連当事者)の所有する不動産を賃借しているが、直接の契約の相手方は外部の仲介不動産業者であるため、財務諸表上で関連当事者との取引として開示を行わないことは問題はない。
- 3会社が、会社の役員を退職したオーナー(関連当事者)を顧問に招聘し顧問料を支払う場合は、期待する役割やその達成状況、顧問料の算定根拠について確認できなくても問題はない。
- 4会社が所有するビルの空きスペースを、会社の役員(関連当事者)が個人事業として営む飲食店に無償貸与することは、空きスペースでもあり問題はない。
正解
1. 会社が、会社の役員(関連当事者)に対し報酬の支払いを行っていたとしても、その報酬について財務諸表上で関連当事者との取引として開示を行わないことは問題はない。
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解説
関連当事者取引の開示は、財務諸表等規則・連結財務諸表規則上、「関連当事者の開示に関する会計基準」(企業会計基準第11号)に従って行う。本会計基準では、役員報酬は通常の業務に基づく一般的な取引として、関連当事者取引の開示対象から除外される(基準10項(2)役員及び主要株主等に対する報酬・賞与・退職給与のうち、職務執行の対価として相当なものに限る、等)。すなわち、役員報酬として支払うこと自体は通常認められた取引であり、これを関連当事者取引として個別開示しないことは会計基準に照らして許容される。 ア(正):上記の理解に沿った肢で、役員報酬を関連当事者取引として開示しなくても問題ないとするのは、上場審査上も適切な判断である。 イ(誤):契約の直接の相手方が外部業者であっても、賃料が最終的に役員所有不動産の対価として役員に流れる実質を持つ取引は、関連当事者取引の実質判断(実質判定)の対象となり、開示が必要となる。「直接の契約の相手方が外部であるから開示不要」とすると関連当事者取引の規制を潜脱でき、上場審査上問題がある。 ウ(誤):上場審査の実質基準「企業経営の健全性」では、関連当事者との取引について取引の合理性・条件の妥当性を確認する。役員退職オーナーへの顧問料について、期待する役割や達成状況、算定根拠の確認ができないまま支払うことは、合理性・妥当性の確認ができず、問題がある。 エ(誤):会社所有資産を関連当事者(役員)の個人事業に無償貸与することは、会社財産の社外流出(実質的な利益供与)であり、取引条件の妥当性に問題があり、関連当事者取引として開示も必要となる。「空きスペースだから問題ない」とは言えない。 よってアが正解。(出典: 一般社団法人 中小企業診断協会 平成24年度 中小企業診断士1次試験 経営法務 第17問 設問1)
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