問題
選択肢
- 1相手方と通謀の上、不動産を仮装譲渡したところ、仮装の事実を知らずに相手方から当該不動産の転売を受けた第三者が当該不動産の所有権を主張する場合
- 2第三者から強迫行為を受けて契約させられた者に対して、強迫の事実を知らなかった契約の相手方が契約の有効性を主張する場合
- 3錯誤を理由とする意思表示の取消しを表意者が主張する場合
- 4自己に代理権がないことを知らなかった無権代理人(成人)による契約と知らずに契約した相手方が、無権代理人に対して当該契約の履行責任を主張する場合
正解
4. 自己に代理権がないことを知らなかった無権代理人(成人)による契約と知らずに契約した相手方が、無権代理人に対して当該契約の履行責任を主張する場合
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解説
エが正解。民法117条1項により、他人の代理人として契約をした者は、代理権を証明できず、本人の追認も得られなかったときは、相手方の選択に従い、相手方に対して履行又は損害賠償の責任を負う。ただし、相手方が代理権のないことを知っていたとき(同条2項1号)や、過失によって知らなかったとき(同項2号本文)は責任を追及できない。同項2号ただし書により、無権代理人が自己に代理権がないことを知っていたときは相手方に過失があっても責任を追及できるが、本問の無権代理人は自己に代理権がないことを知らなかったので、相手方は善意・無過失であることが必要になる。 アは誤り。民法94条2項の虚偽表示の第三者保護は「善意」のみが要件で、無過失は要求されない(判例)。 イも誤り。第三者の強迫による意思表示は、相手方が強迫の事実を知らなかったとしても取り消すことができ(96条2項の制限は詐欺に限られる)、相手方の善意・無過失は契約の有効性を主張する要件にならない。 ウも誤り。錯誤による意思表示の取消し(95条1項)について、表意者の無過失は要件ではない。表意者に重大な過失があったときは、原則として取り消すことができない(同条3項)。 【法改正】出題当時(平成26年)は、錯誤による意思表示は「無効」とされ(ウは「要素の錯誤を理由とする意思表示の無効」という記述だった)、117条2項は相手方が過失によって知らなかったときは一律に無権代理人の責任を追及できないとしていた(エは「無権代理人(成人)による契約」という記述だった)。2020年4月施行の改正民法で、錯誤は取消しとなり、無権代理人が自己に代理権がないことを知っていた場合は相手方に過失があっても責任を追及できることとなったため、現在の制度に合わせてウとエの記述を改めている。(出典: 一般社団法人 中小企業診断協会 平成26年度 中小企業診断士1次試験 経営法務 第11問)
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