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民法等

連帯債務と連帯保証の違い

どちらも複数人で債務を負う形態ですが、債務者の立場が違います。連帯債務は「全員が独立して全額の主たる債務」を負い、連帯保証は「主債務者の債務を保証する従たる債務」となる点が本質的な違いです。

比較表で見る違い

観点連帯債務連帯保証
債務の性質各債務者が独立して全額の主たる債務を負う主債務者の債務を保証する従たる債務
附従性なし(独立債務)あり(主債務消滅で保証も消滅)
催告・検索の抗弁権なし(最初から全員に請求可)なし(普通保証と異なり連帯保証にはない)
絶対効事由(2020年改正後)弁済・更改・相殺・混同のみ弁済・主債務に関する事由はすべて影響
求償権負担部分を超えて弁済した分を他の債務者に求償弁済額全額を主債務者に求償可

それぞれの詳しい解説

A連帯債務

複数の債務者が同一内容の債務について、それぞれ独立して全部の弁済義務を負う形態。債権者は誰に対しても全額請求でき、1人が弁済すれば全員の債務が消滅します。2020年改正で絶対効事由が縮小されました。

  • 催告・検索の抗弁権はない

  • 時効完成・免除は他の債務者には影響しない(相対効)

  • 内部的には負担部分があり、超過分は他者へ求償

B連帯保証

主債務者と連帯して保証する形態。普通保証と違い催告・検索の抗弁権がなく、債権者は主債務者を通さずに直接連帯保証人に全額請求できます。附従性があり、主債務に関する事由は連帯保証にも影響します。

  • 普通保証にある分別の利益もない(複数連帯保証人でも各自全額)

  • 主債務者に対する時効中断は連帯保証人にも及ぶ

  • 保証契約は書面(電磁的記録含む)でしないと無効

試験対策のポイント

「連帯債務=独立した主債務」「連帯保証=従たる債務だが抗弁権なし」。連帯保証は普通保証と違い「催告・検索の抗弁権・分別の利益」がない3点セットで覚える。

理解度チェック(3問)

Q1. 連帯保証人に認められない権利として正しいものはどれか。

  1. 1弁済による求償権
  2. 2催告・検索の抗弁権
  3. 3主債務者の有する反対債権による相殺の援用
  4. 4債権者からの請求に対する弁済の権利
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正解:2. 催告・検索の抗弁権

連帯保証人には催告の抗弁権・検索の抗弁権がない(民法454条)。普通保証との大きな違い。

Q2. 連帯債務の絶対効に関する2020年改正後の記述として正しいものはどれか。

  1. 1免除・時効完成は絶対効である
  2. 2弁済・更改・相殺・混同は絶対効である
  3. 3請求は絶対効である
  4. 4すべての事由が絶対効となる
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正解:2. 弁済・更改・相殺・混同は絶対効である

改正後、絶対効は弁済・更改・相殺・混同に限定され、請求・免除・時効完成は相対効となった。

Q3. 保証契約の成立要件として正しいものはどれか。

  1. 1口頭の合意で成立する
  2. 2書面(電磁的記録を含む)でしなければ効力を生じない
  3. 3公正証書でなければ無効
  4. 4登記が必要である
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正解:2. 書面(電磁的記録を含む)でしなければ効力を生じない

保証契約は書面または電磁的記録によらなければ効力を生じない(民法446条2項・3項)。連帯保証も同様。

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